帽子の青年
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ルールドラパンで会ったことある人なんだけど……」
「その情報すら俺聞いたことないから何も言えないね」
「なんか、ずっとニコニコしている人だったよ。茶髪のウェーブヘアの男の人。挨拶が『ハロー』っていうのにはビックリしたかも」
その情報を伝えると、ハルトの顔が、怪訝から真っ青に塗り替わっていく。
そして。
「ハルトさん!?」
ハルトはラビットハウスを飛び出していった。
「ど、どうしたのハルトさん!? えっと……ほむらちゃんさやかちゃん! ごゆっくり! コヒメちゃんと煉獄さん、お店あと、お願い!」
「む?」
新人と言う立場を忘れ、可奈美は煉獄にラビットハウスを任せてハルトの後を追って店を飛び出した。
暗雲がたちこめる春の町を、ハルトは見渡していた。
「ハルトさん、どうしたの?」
「どこだ……奴は……どこに!?」
「やっぱり、知っている人なの?」
だが、ハルトは答えない。
「ハルトさん!」
ハルトはそのまま、道を走っていく。
すでにあの青年の姿はどこにもない。ハルトはただ、あてもなく走り出したのだ。
「ハルトさん! 待って!」
幸い、ハルトよりも可奈美の方が速い。ハルトの腕を掴まえて、その動きを止める。
「どうしたのハルトさん!? いきなり取り乱すなんて、ハルトさんらしくないよ!」
「奴が……アイツが、見滝原に……!」
「アイツ?」
だが、ハルトは答えない。
ただ一つ。
彼の目は、これまで見たことがないほど血走っていた。
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