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不落戦艦「キイ」〜宇宙戦艦ヤマト2202・鋼鉄戦記〜
第1話 建艦前史
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その男を知っているらしく、困惑はしてても動揺した様子は見せていなかった。

「失礼、私は連邦政府の関係者でして、私どもの研究に協力してくれる人達を探しているのです。現在政府が官民共同で遊星爆弾症候群の治療方法を研究している事はご存じでしょう?」

「はい…ですが私の様に苦しんでいる人はごまんといる筈。なのに何故私を?」

「はい…詳しい理由は申し上げられませんが、貴女の協力が是非とも必要なのです」

 背広姿の男の言葉に、子竜は表情を一つも変える事無く、小さくため息をつく。そして男の顔に視線を向ける。

「…分かりました。どのみち長くはないでしょう。せめてこの星の同じ病で苦しんでいる人達の救いになると言うのなら…」

「ありがとうございます。ご協力に感謝いたします」

 子竜がやや投げやりながら返答を返し、背広姿の男は神妙そうな表情で答える。そして30分後、彼女は装甲車を改造した救急車に乗せられ、軍関係施設へと移送される。
 しかしそれは、これまで戦争とは距離を取った人生を送り、ただ静かに最期を迎えようとしていた彼女に、新たな希望と試練を与える、最初の過程に過ぎなかった。
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