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不落戦艦「キイ」〜宇宙戦艦ヤマト2202・鋼鉄戦記〜
第1話 建艦前史
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ンティスに対抗するべく、新たな戦艦を開発・建造しなくてはならない。そのための建造というのならば、私が全面的に支援しよう」

 豊田の言葉に、牧野達の表情が明るくなる。豊田は今度、新工廠が存在する防衛管区の基地司令官に任ぜられる事となっており、予算・資材の面で多少の融通をしてくれる可能性があるからである。
 その後、彼らは今後の地球製宇宙艦船はどの様なものであるべきかを論じながら、酒を酌み交わすのだった。

・・・

西暦2202年9月1日 小笠原諸島沖合 地球連邦防衛軍工廠 地上区管理棟

 会合から10か月後、新防衛管区の基地司令官に就任し、軍備再建計画の進展に貢献して昇進。新たに防衛宇宙軍技術本部艦船科長に着任した豊田大将からの提案書が防衛軍上層部に認められ、現在建造が進められている最新鋭艦とは全く異なった設計が施された新型艦の建造が開始。全体的な設計を終えた牧野は、数人の男達と連邦防衛軍工廠の管理棟で話し合っていた。

「まずは起工が開始された事に、おめでとうと言っておこう、牧野君」

 ヤマト計画にて宇宙戦艦「ヤマト」の設計に加わり、自身も「ヤマト」副長兼技術長として戦場に立った真田士郎(さなだ しろう)中佐の言葉に、牧野は頭をかきながら答える。

「いえ、真田さんのに比べれば、私の設計なんてまだまだですよ。福田大佐と真田さんの設計があればこそ、今のこの艦があるのですから」

 牧野が謙遜した様子で答える中、そこに豊田が入室してきて、牧野に話しかけてくる。

「久しぶりだな、牧野君。中佐への昇進と改ヤマト型宇宙戦艦1番艦起工、まずはおめでとうと言っておこう」

「ありがとうございます、豊田大将閣下」

「それで、その改ヤマト型宇宙戦艦の設計について、改めて聞かせてもらおう。「ヤマト」と、現在建造が進められている同型艦とはどの様に異なるのかを」

 豊田の求めに対し、牧野はモニターディスプレイを起動して設計図を投影し、説明を始める。

「はい…まず艦のサイズはヤマト型より大幅に拡張し、全長500メートル、船体幅75メートルの超大型艦となっております。これは現在この工廠で建造が進められている前衛武装宇宙艦の全長444メートル、船体幅66メートルよりも大幅に巨大であり、人員の省力化によって装甲及び防御区画に割く余裕を確保しております」

 その戦艦の船体形状は「ヤマト」によく似ており、一見水上艦とほぼ変わらない様に見えるのだが、水上艦はもとより「ヤマト」と大きく異なる点が艦尾にあった。

「しかし、「ヤマト」と大きく違うのはサイズだけではなく、艦尾形状にもあります。こちらはガミラス軍のゲルバデス級戦闘空母を参考に、前衛航宙艦用のメインエンジンを2基、サブエンジンを4基搭載した複数機搭載型として
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