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不落戦艦「キイ」〜宇宙戦艦ヤマト2202・鋼鉄戦記〜
第1話 建艦前史
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ひとえに
沖田十三
(
おきた じゅうぞう
)
大将以下精鋭のクルー達の奮闘と、波動エネルギーを用いた決戦兵器である波動砲があったからに他なりません」
松田がそう言った後、隣に座る防衛軍士官学校砲術科長の
黛治夫
(
まゆずみ はるお
)
少佐は険しい表情を浮かべる。
「ですが、実際には「ヤマト」自身が波動砲の存在そのものに苦しめられた場面も多々あったそうです。まず波動砲は出力次第では惑星規模の天体を破壊出来る程の火力がありますが、その分多量のエネルギーを必要としますので、発射前後は非常に無防備な状態となります。何より七色星団での戦闘では、削岩弾を砲口に撃ち込まれて波動砲を封じられた上に、内部より破壊される危険があったそうです。今の地球はガミラスと関係改善状態にありますし、今後の主力艦に波動砲は搭載せずとも、ショックカノンのみで戦えると思うんですがね…」
『大砲屋』の異名を持つ黛の言葉に、豊田は険しそうな表情を浮かべる。
「参ったな…現在防衛軍は量的劣勢を質的優勢で補うべく、波動砲搭載艦を5年以内に500隻揃える波動砲艦隊計画を遂行している。そして今、防衛軍航宙艦隊総旗艦となる新型戦艦の1番艦が起工したばかりなのだが…ところで牧野君、もし資材や予算に制限が無かったとしたら、「ヤマト」を一体どこまでの性能にする事が可能なのかね?」
「はい、それはこちらに」
質問を投げかけられた牧野はそう言いながらタブレット端末を操作し、豊田に手渡す。そしてそれを見た豊田は血相を変えた。
「こ、これは…!こんなのが建造出来た、というのかね?」
「はい。元々イズモ計画用の移住船に求められたスペックを基にすると、全長500メートル、最大搭乗員数1万人の巨大宇宙船となる予定でした。もしガミラスとの戦争があと10年遅れていたら、金剛型宇宙戦艦も現在開発が進められている前衛航宙艦並みのサイズを持った次世代艦にバトンタッチしていたでしょう」
「成程…しかし造船所はどうする?現在我が防衛軍が有する宇宙軍工廠は大半が再建半ばであるし、民間造船所も貨物船の建造で手が足りん状況だ。それにサイズも考えると、相当な期間が必要となるかもしれんが…」
豊田が述べた懸念に対し、福田が答える。
「その点についてはご心配なく。現在私どもは前衛武装宇宙艦並びに前衛航宙艦の建造拠点である新工廠にて、試作艦建造区画を確保しております。既存の造船所や工廠が使える状態になるまで用いる予定ですが、あそこならばこの規模の艦艇も建造が出来ましょう」
福田の言葉に、豊田は驚きの表情を浮かべる。しかし確かに試作艦ないし実験艦の名目で予算と資材を確保する事も可能だろう。
「…分かった。今後、我が防衛軍はガミラスとの量的劣勢を埋めつつ、共通の敵となりつつあるガトラ
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