048話 学園祭編 異変の兆候
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…Fight!!』
その合図と同時にネギの身体はまるで闘気でも身にまとったかの如く光り出す。
それを見てシホは思わず「へぇ……」と呟く。
ネギはこの状態を過去に二度体験している。
一回目はエヴァに弟子入りするときにシホの言葉責めで過去の光景を思い出してしまい、暴走してシホの胸を陥没させるほどの威力を纏った拳を叩きこんだ時。
二度目はヘルマンとの戦いで同じく過去の光景を連想してしまい、またもや暴走して後先考えずに吶喊して、小太郎の助けがなければ石化もしていただろう時。
その二回の経験を経て、ネギは過去の情景がこの力を引き出すトリガーになりえるのだろうと読み、敢えて自身の心を向き合いながら、それを制御下に置いた。
ゆえに、
「これは一筋縄ではいかなそうね……」
思わずのシホの言葉にネギはまるで悪戯が成功したかのような笑みを浮かべながら、
「シホさん、いきます!」
言葉はそれだけでネギはヘルマンの時よりは控えめで、それでもかなりの加速がついた動きをして瞬間的にシホへと迫る。
さながら某戦闘民族が使う体に負担が大きい術のようで……。
シホはここまでネギが力を引き出せるようになっていた事に驚きと成長の喜びを感じながらも、それでも冷静に竹刀を振り下ろしていく。
しかしシホの振り下ろしにもネギは対応してなんとかすんでで避けて、そこで初めてネギの拳がシホを竹刀越しに空へと打ち上げる。
『おおっと!!ネギ選手の拳が今までの試合で優勢だったシホ選手を捉えて打ち上げた!!初めてまともなダメージか!?』
朝倉の実況に、しかしそれでもシホは冷静に、
「(術式兵装…………… 是、“剛力無双”……)」
シホは錬鉄魔法でとある大英雄の斧剣を魔力にして取り込んだ。
瞬間、ネギは悪寒を感じてチャンスなのにその場を離れる。
その危機感知能力は本物で、ゆっくりと着地したシホから恐ろしい程の闘気が溢れているのだ。
「大人げないと思わないでください、ネギ先生……これを使うのは認めた相手だけですから」
「ッ!!」
シホに認められた。
それだけがネギの心を歓喜にわかせる。
シホはそんなネギの気持ちを察しながらも、竹刀に斧剣の魔力を注いで、いざいかんと思った…………その時だった。
突如としてシホの背中に激痛が走り、「憎らしや……口惜しや……」という明らかな呪詛が込められている言葉が脳内を埋め尽くそうとしてくる。
そんなシホの急激な変化に選手控えの場で見ていたエヴァは思わず、
「いかんッ!!」
声を上げども、今は試合故に手を出せずにいる自身が歯がゆい感情に浸される。
負の感情に支配されそうになるシホ。
だが寸での状態で、シホはその負の言葉を精神力で乗り
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