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吸血鬼になったエミヤ
048話 学園祭編 異変の兆候
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が溢れてくる。

「そしてお父さんの背中を追う日々も……アスナさん、カモさん、シホさん達の事……お嬢様達の事……そしてみんなの事を……忘れないでください」

その言葉にネギの脳裏には今まで出会ってきた人達の顔が次々と浮かんでくる。
そして、なにも焦る必要はないんだ。
一歩、一歩を踏みしめて……僕はいつか。
でも今は、今だけは刹那さんに気持ちを集束させる。
ネギはその気持ちを確認して一息つく。
周りから見ればどこか気持ちがすっきりしたかのような表情の事だろう。
それで料金を払わないで入ってきていた3−Aのクラスメイト達は思わず涎を垂らすかもしれないほどそのネギの表情に魅入れられていた。
そしてついにネギと刹那の本気の試合が開始する。




それを見て、もう不安視することはないだろうとシホは感じた。
それでどこかで見ているであろう小太郎の気配を読んで、

「お、シホ殿も行くでござるか?」
「ええ」

小太郎がいる場所に辿り着くと、案の定小太郎はネギの急成長に頭を悩ませていた。
だからその場にいた古菲、楓、アル、そしてシホはそれぞれに小太郎に適したアドバイスをするのであった。
それで少し気分が良くなった小太郎は、

「それでシホの姉貴はネギとどう戦うつもりなんや?」
「そうね……なにやらネギ先生は秘策をまだ隠し持ってるみたいだからそれを引き出してから考えようかな?」
「秘策やて?」
「ええ。少なくともまだろくでもない特攻ではないみたいだけど、はてさて……」

それより会場がなにやら騒がしい事に気づく。
あちこちでネギの情報とやらを知った観客がネギの事を盛大に応援し始めているのだ。
シホもそれで携帯を取り出して軽くネギの事を検索してみると、出て来るわ出て来るわネギの出生や大会出場の理由など……。

「超のやつ、やってくれるわね……」

中にはシホの事も少なくない記事が作られていて、

「『半年前に突然編入してきた今は健康体であるが足が不自由だった少女の過去とは……?』…………タマモが知ったら殺しにかかりそうな記事ね……」

さすがに吸血鬼である事を仄めかす内容はなかったが、一度ネットに拡散してしまえばどこで探りを入れてくる輩が出てくるか分からない。

「……確かに、厄介な事になってきましたね」

さすがのアルも苦笑いを浮かべている。
古菲もさすがにシホの事情を知っているだけに怒り顔であった。

「まぁもう後手だししょうがないと割り切るしかないか。あ、ネギ先生が勝ったみたいね」

見ればお互いに最後の一撃にかけたのだろう。
刹那の攻撃はネギの頬を少し掠り血を出す程度のものであったが、ネギの肘鉄は刹那のお腹に直撃していた。
そのまま刹那は二、三事呟きながら倒れた。

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