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レーヴァティン
第二百二十四話 大雪はその四

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「そうして用いていくぞ」
「わかりました」
「ではこのまま江戸城に多くの兵と物資を集めていきます」
「そしてそのうえで」
「水戸城も用いましょう」
「そうする、江戸から水戸への道も整えたしだ」
 それにというのだ。
「湖からもな」
「江戸の港からですね」
「水戸の港まで兵やものを運びますね」
「安房、下総、上総を回って」
「あの半島を」
「陸だけでなく湖からもだ」
 即ち水路も使ってというのだ。
「ものを運ぶ、そしてだ」
「はい、そして」
「そのうえで、ですね」
「水戸から奥羽を攻める」
「そうしてまずは」
「会津を攻める」
 この地をというのだ。
「そして会津若松城を手に入れるぞ」
「わかりました」
「ではそうしていきましょう」
「そしてそのうえで、ですね」
「あの城も用いますね」
「会津若松城もな」
 この城も手に入れたならというのだ。
「会津から仙台にも秋田にも行ける」
「まさに奥羽の要地です」
「陸路からどちらにも行けます」
「それならですね」
「会津を手に入れたなら」
「その様にする、そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「奥羽の全土、津軽や陸奥の端までな」
「手に入れますね」
「その様にして」
「治める、奥羽は広くかつだ」
 英雄は奥羽のことをさらに話した。
「寒い為米が育たないな」
「それにより貧しいです」
「度々飢饉にも見舞われています」
「他の地域にも飢饉は起こりますが」
「奥羽の飢饉は多く」
「そしてその酷さもかなりです」
「だからだ」
 そうした事情があるからだというのだ。
「是非な」
「はい、奥羽を手に入れたなら」
「しかと治める」
「そうしますね」
「俺の世界では長い間貧しいままだった」
 これは維新からもだ、日韓併合で日本は朝鮮半島に多くの予算と人材それに技術を注ぎ込んだがその分を東北に回しておけばという意見もあった程だ。
「だがそれはな」
「こちらの世界ではですね」
「上様は今為される」
「そのおつもりですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そしてこの浮島の力にする」
「豊かさこそが力であるが故に」
「だからこそですね」
「ここはですね」
「そうしますね」
「そうする」
 奉行達に強い声で話した。
「先程言った通りにな」
「ではその様にしましょう」
「それではその為にです」
「水戸城そして江戸城に人とものを集めましょう」
「これより」
「そして策も立てていく」
 戦の為のそれもというのだ。
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