革命レボリューション
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一方、さやかはつまらなさそうに鼻を鳴らした。
「まあ、どうでもいいけどね。アンタ、あたしのことがあった後もファントム倒してるんでしょ?」
「……」
「それとも、やっぱりあたしが言ったこと、信用できない?」
その言葉とともに、さやかの顔に妖しい紋様が現れた。
ラッパの顔をした人魚の顔。
だが、ハルトが息を呑むと同時にすぐにそれは消滅し、妖艶な笑みを浮かべたさやかだけが残った。
「……う……そんなに食べてないはずなのに、腹が重い……」
ハルトは小声で呟きながら、帰路を歩いていた。
二月の太陽は沈む速度も速く、すでに青空は夕焼け色に染まっている。冷えた空気は、いまだに安い防寒具を貫通してハルトの体を冷やしていった。
「……で」
ハルトは大きくため息をついた。
「なんで付いてきてるの?」
「え? いいじゃん別に」
ハルトの後ろに付いてきている少女、美樹さやかは当然のように笑いながら言った。
「期末試験終わってクタクタなんだ。なんか奢ってよ」
「……たかりに来たの?」
「ダメ?」
「……」
ハルトは少し考えながら、再び歩きだす。
「今、俺結構金欠だからね。少しだけならだよ」
「ラッキー! 言ってみるもんだね」
さやかはピースサインをしながら言った。
結局ハルトは、甘兎庵に続いて、ラビットハウスでの出費を考えて、財布の中を確認しなければならなかった。
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