革命レボリューション
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ーダーを処理するために一時的にホールを離れているものの、なんと言えばいいのか分からなかった。
「あ! 分かった! あの店員にもらったはいいけど、思ったよりボリュームがあって困ってるんだ!」
「大体あってるけど声がでかい!」
ハルトは慌ててさやかの口を封じる。
幸い、紗夜には聞こえていないようで、心底安心した。
「えへへ……ごめんごめん」
さやかは笑いながら、革命レボリューションを再び見下ろした。
「ねえ、アンタこれ食べきれないんでしょ? だったらもらっていい?」
「え? いいけど君は……」
「うっしゃあ! んじゃ、遠慮なくいただきます! アンタの奢りってことでいいよね!」
さやかは言うが速いが、早速ハルトの前の大山を自らの手元に寄せる。
「お、これ美味しい美味しい! ねえハルトさん、これ結構イケるよ!」
さやかはスプーンでバクバクと食べながら、そう断言した。
ハルトはそんな彼女を見て、やがて少し体の重心をさやかから引き離した。
「……ねえ。本当に、美味しい?」
「ん? 何言ってんの? 当然じゃん」
さやかはそう答える。
「うん、この絶妙なクリーミーさとか、このラムネっぽいのの刺激とか、もう夢中になるよ!」
「……そう。……そっか」
ハルトはほほ笑みながら、さやかがどんどん食べていくのを眺める。
やがて、その膨大な容量の半分以上が彼女の腹に収まっていったところで、ハルトは口を開いた。
「さやかちゃん。その……聞いてもいい?」
「ん?」
スプーンを口に咥えたまま、さやかが疑問符を上げる。
「その……大丈夫? 生活とか」
「あっははは! 何それ? アンタ、あたしのお父さんか!」
さやかは腹を抱えて大爆笑に陥る。
ハルトは少し気まずくなりながらも続ける。
「いや、本気で聞いてる。なんか……不便とか、ない?」
「前も聞いてたよね。うーん、そういえばさあ、やっと期末試験終わったと思ったら、今度はおこづかいが足りないんだよねえ。ちょっと貸してよお父さん」
「誰がお父さんか」
ハルトは思わず、さやかの頭にチョップする。
「痛っ」
「あっ」
思わずノリツッコミをしてしまったハルト。
周りの目が厳しいものになる前に、誤魔化しもかねて勢いよく話を続ける。
「そうじゃなくて……その……」
「やめてよ。そういうの」
さやかの声が、一転して冷たくなる。
「アンタ、あたしに引け目でも感じてるの?」
「……」
ハルトは目をさやかから下げる。
彼女の手元にあるお茶。茶色の液体だが、その内側に、やがて魚の形をした水の塊が泳いでいた。
「……」
「上達したでしょ?」
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