革命レボリューション
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き詰められている。見るだけでげんなりしてくる勢いのそれは、ハルトの顔を青く染めるのに十分な威力を誇っていた。
「な、何これ?」
「さっき説明しました、革命レボリューションです」
「お、おう……」
「旧態依然とした和菓子を脱するべく、洋菓子の材料も一部使っています。これこそ、革命の味です!」
「この子、こんなキャラだったか……?」
その豹変ぶりに困惑していると、店の呼び鈴が鳴る。
「あ、ごめんなさい松菜さん。また後で。いらっしゃいませ」
紗夜はそう言って、新しい客への対応に向かう。
そんな彼女の後姿を眺めながら、ハルトは紗夜の力作へスプーンを立てる。
「やっぱ……食べなきゃだめだよね……?」
そう言いながら、ハルトは一口、噛みしめる。
味を感じないものの、その量と雰囲気だけで、ハルトの勢いを殺すのには十分だった。
「軽く紗夜さんの様子を見に来ただけのつもりだったんだけどなあ……まあ、元気そうで良かったけど。それより、これどうしようか……」
「お? 久しぶりの顔だ!」
そんな声が、悪戦苦闘を重ねるハルトにかかって来た。
見上げれば、そこには青い髪の中学生くらいの少女がいた。
ボブカットで活発そうな顔つきの少女は、にいっとした笑顔でハルトを見下ろしている。
「よっ! 大道芸人さん」
「さやかちゃん……!」
思わず口から出てきた、少女の名前。
美樹さやか。見滝原において、ハルトが最も忘れることができない名前の一つだった。
「松菜さん、お知り合いですか?」
さやかを奥の席へ案内しようとした紗夜が、こちらに気付く。
ハルトの返答よりも先に、さやかが答えた。
「知り合いも知り合い! 大知り合いだよ! ね? ハルさん!」
「は、ハルさん?」
さやかがハルトの肩に寄りかかる。
一瞬紗夜が「ハルさん?」と不機嫌そうな顔を見せたが、すぐに平静を装う。
「相席にされますか? 松……ハルトさん」
「あれ? 紗夜さん、俺のこと名前で呼んでたっけ?」
「はいはいはーい! いいよね? ハルさん!」
さやかがハルトの言葉を取った。
そのまま「どうぞ」と通した紗夜は、他の客のオーダーを取りにそそくさとその場を離れる。
「さやかちゃん……」
「久しぶりだね、ハルさん。いや、ここはウィザードって呼んだ方がいいのかな?」
さやかがハルトの向かい席に座りながら挑発する。
肘を付きながら、彼女はハルトの顔、そしてその手元にある革命レボリューションを見下ろす。
「うわっ! 何これスゴイ! アンタ、もしかしてすっごい甘党?」
「いや、そうじゃないんだけど」
ハルトはそう言いながら言葉に迷う。紗夜は、オ
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