革命レボリューション
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た。
「な……何だったんだろう」
「知りません」
紗夜がきっぱりと言い切った。
「あと、時々日菜も来てくれるんです。何でも、私のことが心配らしくて。心配なのはこっちのほうなのに」
「いいじゃん。前も言ったけど、こっちに何かを向けてくれる家族がいるって、本当に素晴らしいことだからね。……さてと」
ハルトは頭を掻いて、メニューを見下ろす。
相変わらず、看板娘の少女が作り上げた独特なメニュー名で、見るだけでも頭が痛くなってくる。
「やっぱり、ここのメニュー凄まじいな。何だよ、千夜月って……あの子の名前そのまま使ってるじゃん……」
そのほかにも、無数の漢字が所せましと並んでいる。中には、常用漢字には属していないものもある。
「漢字多すぎる……これ、漢語の教科書じゃないの?」
そうして、目を泳がせていくと、下のほうに目立つメニュー名があった。
それは。
革命レボリューション
「えっと……紗夜さん? これ、何?」
「私が考えた、新しいメニューです。当然、宇治松さんにもおばあさんにも許可は頂いています」
紗夜が悪びれることもなくふんすと鼻を鳴らした。
「それは……つまり、これを名付けたのも紗夜さんということで……」
「当然です!」
と、紗夜は胸を張る。
「このお店で働かせていただいて早数週間。新たなお客様を呼ぶために、この店には革命が必要だと思いました」
「うん。そこまではまだ分かる」
「革命……つまりレボリューション!」
「訳しただけじゃん」
「だから、次のメニュー名を革命レボリューションにしました」
「だからどうしてそうなる!?」
改めて目を凝らして見れば、メニューにも少しずつ変化があった。
看板娘の千夜が作った和風単語が並ぶ独特なメニュー。だが、それを追いかけるように、洋風の技名のようなメニュー名もまた追いつけ追い越せとばかりに並んでいる。
「えっと……『漆黒の叫び』『新たな側面』『火の鳥』……何で半分英語なんだよ……」
「いいでしょう?」
紗夜の鼻息が荒い。
「これからのグローバル化の時代。老舗の和菓子と言っても、和洋折衷は必定。これがなければ、時代に取り残されてしまいます」
「和洋折衷すればいいってものじゃ……これは雰囲気ぶち壊しって言う奴じゃ……」
だが、紗夜の暴走はもう止まることはなかった。
「松菜さん!」
「は、はい!」
思わず直立して返事をしてしまった。
紗夜は続ける。
「是非! 食べてみてください!」
そう言って紗夜がハルトの机に置いたのは、巨大な甘味。
どんぶりのお椀に、あんこや大福、団子などがギチギチに敷
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