予想外の戦法
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しばらく進んでいくと、少しずつ道が細くなっているような気がする。恐らく道が入り組んでいる分、一つの道に掛けれる幅が足りなかったんだろうなと推測できる。
「この先を行けば城の敷地内に繋がってるところに出れるぜ」
「時間は」
「まだ少し余裕があるな」
作戦決行の時間までまだあるとのことで走る速度を調節する。他のグループも何事もなければ既に目的地周辺まで来ているだろうし、問題ないだろう。
「しかし、お前本当に国有数の魔導士なのか?」
「??どういうこと?」
まだ見た目のことを言っているのかと思ったが、どうやら違うようだ。ユウキさんは険しい表情を見せると、奥歯を噛んだ後、言葉を発する。
「あんな作戦・・・とてもじゃないが正気の沙汰とは思えない」
そういうことかと納得する。無理もない、今までの俺だったら確実にやらなかったであろう作戦。しかし、なぜだろうか。
「この作戦が一番最適だと思ったし、これしかないと思ったんだよ」
本当になんとなくだ。何か確信があったわけでもなければ今までに経験があったわけでもない。でも、この方法が何よりも最適だと思ってしまったのだ。
「正直・・・俺は不安だ。成功してもしなくても、大変なことになるだろうからな」
「大丈夫だよ。そのためにチームをこんなに分けてるんだろ?」
ニヤリと笑ってみせると彼は苦笑いを浮かべた。相当不安なんだろう、しかし、ここまで来たらやるしかないぞ。
第三者side
「皆さん!!もう少しですよ」
「時間も間に合ったわ」
ウェンディが率いるチームが目的の出口付近へと到達する。特にアクシデントもなく到着できたため、彼女たちはホッとした表情を浮かべていた。
「安心している暇はないわよ」
「そうだよ〜、ここからが重要なんだから」
そんな面々を見てシャルルとセシリーが釘を刺す。その声で冷静さと緊張感を取り戻した彼女たちは、すぐに次の行動へと準備を移す。
「しかし、フィオーレの魔導士って怖いんだな」
「こんな作戦、俺らじゃ思い付かねぇよ」
準備をしながら至るところでそんな声が聞こえてくる。彼らも悪気はないからかウェンディたちに聞こえないようにと小声で話しているものの、滅竜魔導士特有の耳のよさがあるウェンディには聞こえてしまい、苦笑いを浮かべていた。
(私だってこんなこと思い付かないよ)
しかし、その声が言いたいことがわかるだけにウェンディも反論することができない。なぜなら、この作戦の提案者である少年の様子にいまだに疑問を抱いているからだ。
(あの時のシリルの表情・・・やっぱり気になる)
気になる点はあるのに、動くこと
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