暁 〜小説投稿サイト〜
不落戦艦「キイ」〜宇宙戦艦ヤマト2202・鋼鉄戦記〜
序章 月の海にて
[5/8]
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ミラスに不利を強いられていた。
しかし敵艦の照準は甘く、〈コスモデバステイター〉は主翼を左右に振りながら回避し、一気に肉薄。そして射撃管制システムの助けを借りて狙いを定める。
「食らえ!」
敵空母の下方に潜り込んだトーマスは操縦桿の引き金を握り、胴体ウェポンベイに搭載していた2発の空対艦ミサイルを発射する。空対艦ミサイルは突出部の艦載機発進口に向けて飛び込んでいき、敵艦内で爆発。もろに直撃を被った敵空母は各所を爆発させ、よたよたと月表面に向けて墜落していく。それに敵艦載機は動揺を露わにし、それを突く様に〈コスモホーク〉は格闘戦を仕掛けて叩き落していく。
敵護衛艦は圧倒的劣勢を感じ取り、撤退に動き出したのだが、一歩遅く〈コスモデバステーター〉の空対艦ミサイルが艦橋部に叩き込まれる。
ガミラス艦は高圧増幅光線を容易く弾く事の出来る対レーザー防護電磁被膜を装備しているが、一方で実弾兵器の炸裂には若干弱く、陽電子ビームを用いずとも実弾の強力な爆発エネルギーで容易に被膜を排除できる事が判明したため、電子励起式炸薬を二段重ねにして破壊力を増した新型空対艦ミサイルと、同様の弾頭を採用した上に推進器をデトネーションロケットにして推進力を上げた新型空間魚雷を開発。接近すれば従来艦艇でも十分に敵艦艇に致命傷を与えられる様になっていた。
一段目の弾頭の炸裂で電磁被膜をはぎ取られたガミラス艦は、二段目の爆発を直接被弾して損傷し、艦橋を破壊された艦は航行不能となって月表面へと墜落していく。戦闘の大勢が決した事を認識したトーマスは、敵艦が墜落していく様子を見つめながら、ジャックに話しかける。
「どうやら久々の快勝の様だ。これで軍の上層部も空母と艦載機の運用について見なおしてくれるだろう」
「そうなるといいんですがねぇ…だって地球や月に直接攻め込むには余りにも戦力が少なすぎます。威力偵察程度のつもりだったのではないのでしょうか?」
「確かに、な…思えば我が合衆国軍は相手を侮っていたがために、こうしてこの8年間で追い詰められていたのだ。決して心から侮らずに立ち向かわねばならん…」
トーマスはジャックにそう答えながら、「レキシントン」への帰路についたのだった。
その日、国連宇宙軍は威力偵察のために侵入してきたガミラス軍空母機動部隊と交戦し、敵空母1隻と護衛の巡洋艦2隻を撃破。残る空母1隻は地球へ直接攻撃を仕掛けたものの、直後に『地上からの迎撃』を受けて撃沈し、月に墜落した艦艇3隻は現地の宇宙陸軍歩兵部隊や空間騎兵隊が制圧。国連宇宙軍は久方ぶりの勝利を収めたのだった。
・・・
2日後 月軌道上
久方ぶりの勝利から2日後、「レキシントン」は地球本土より緊急出撃した宇宙艦隊12隻と合流していた。
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ