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ドリトル先生と幸せになる犬
第十幕その四
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「もう赤の他人ですから」
「お家には入れませんか」
「ですから玄関で」 
 そこでというのです。
「話をして帰らせます、ふわりは何があっても渡しません」
「いえ、ふわり自身がです」
 先生は怒って言うご主人に言いました、今リビングには奥さんと息子さんもいます。そうしてお話をしています。
「あの人達のところには行きませんよ」
「そうですか」
「今の家族は貴方達で」
 国崎さん達でというのです。
「絆があります、しかしです」
「あの連中はですか」
「その絆を自分達から断ち切りました」
 ふわりを捨ててというのです。
「そして貴方達の絆はあの人達の絆よりも強く太いです」
「そうでしょうか」
「はい、ふわりを家族として接しています」 
 先生は奥さんにも答えました。
「おもちゃではなく」
「家族だからですか」
「その絆は強く太く」
 そしてというのです。
「本物です」
「じゃあ前の飼い主のそれは」
「偽物だったのです」
 先生は息子さんにも答えました。
「おもちゃでしたから」
「だから偽物ですね」
「そうです、ですから」
「ふわりもですか」
「前の飼い主のところには絶対に戻りません、そして」
「そして?」
「ふわりは若し前の飼い主の人達の前に出れば見ますよ」
 まだ寝ているふわりを見て言いました。
「きっと」
「何を見るんですか?」
「前の飼い主の人達の真の姿を」
「それをですか」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「落ち着いてです」
「そうしてですか」
「見ていきましょう」
「それでは」
 息子さんも頷きました、そしてです。
 皆はまずはお茶を飲んでお菓子を食べてふわりの前の飼い主の人達が来るのを待ちました、やがてです。
 チャイムが鳴りました、するとご主人はきっとした顔で立ち上がってそのうえでご家族にも先生達にも言いました。
「今から玄関で話してくる」
「私は行かなくていいのね」
「俺一人で充分だ」
 こう奥さんに答えました。
「玄関から先に入らせずな」
「そしてなのね」
「追い返す、そして二度とだ」
「うちに来ない様になのね」
「する」
 強い言葉での断言でした。
「そうしてくるからな」
「だからなのね」
「皆ここにいてくれ」
 こう言うのでした。
「いいな」
「わかったわ、じゃあね」
「皆ここで待っていてくれ」
 ご主人はこの言葉を告げてでした。
 玄関の方に向かいました、するとです。動物の皆は先生に対してふわりを見ながらこう言いました。
「先生は今も落ち着いているね」
「もう何も心配もいらない」
「そんな感じね」
「そうね」
「うん、運命と言えば恰好よくなるけれど」
 先生は皆にお茶を飲みつつ微笑んで答え
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