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ドリトル先生と幸せになる犬
第十幕その三
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「国崎さんのお家に行こうね」
「それじゃあね」
「一緒に行こうね」
「その日はね」
「そしてことの成り行きを見守ろう」
「そうしようね」 
 先生はこうした時も終始穏やかでした、他の皆は怒っていても。
 そしてその日でした、先生は皆と一緒に国崎さんのお家に向かいました。そうしてそのうえでなのでした。
 お家にお邪魔すると先生は皆と一緒にリビングに案内してもらいました、そして怒ったお顔のご主人にこう言われました。
「ふわりのユーチューブの動画が評判ですよね」
「大人気ですね」
「あの動画のことが連中の耳にも入って」
「そうしてですね」
「動画の視聴回数が物凄いんで」
「人気があって広告収入もあるので」
「そうに決まってます、人気と金です」
 この二つだというのです。
「連中が欲しいのは」
「人気の犬の飼い主というステータスとですね」
「広告収入の金ですよ」
「その二つが欲しいんですね」
「だからふわりを返せって言うんですよ」
「捨てたおもちゃがいいので」
「ええ、評判がいいんで」
 それでというのです。
「また欲しくなったんですよ」
「そうですね」
 先生もその通りというのです。
「そしてあの人達はとてつもない恥知らずです」
「普通こんなこと言いませんね」
「自分達からふわりを捨てましたね」
「ええ、五月蠅いって言って」
 鳴いていてです。
「それでです」
「実際はそんなに鳴きませんね」
「必要な時しか鳴きませんよ」
 ご主人はふわりの真実をお話しました。
「絶対に」
「そこもいい娘ですね」
「ええ、本当に」
 今かケージの中で寝ているふわりを見つつお話しました。
「朝から晩まで鳴くなんて」
「絶対にないですね」
「ふわりはずっと連中を呼んでいたんですよ」
「自分の居場所を知らせて一緒にいたくて」
「それだけだったんですよ、そんなふわりを保健所に捨てて」
 殺処分もある場所にです。
「人気が出てお金になるなら」
「返せですね」
「とんでもない恥知らずですよ」 
 先生の言う通りにというのです。
「昔からそうでしたが」
「確か飽きっぽくて」
「飽きたおもちゃはすぐ捨てて」
「それでそのおもちゃが人気出たらですね」
「返せでそれで図々しくて恥知らずな行動ばかりで」
 昔からというのです。
「そうでした」
「左様でしたね」
「そうだったんですよ」
「いつもですね」
「はい、自分勝手で我儘で」
 それでというのです。
「他人には冷淡いえ冷酷で」
「そんな人達で」
「ずっとでした、それで今回もです」
「そういうことですね」
「先生はリビングにいて下さい」 
 ご主人から言ってきました。
「俺が玄関に行ってです」
「お二人をですね」

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