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地震雷火事
第三章

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「冬とか夏は」
「何か日本って」
 ここまで聞いてだ、カーチャはしみじみとして思った。
「ありとあらゆる災害がある国ね」
「あと竜巻とか」
「最近結構あるわね」
「そっちもね」
「そうよね」
「確かに多いわね」
 古奈美自身このことを自覚した。
「日本の災害って」
「ないもの探す方が難しいでしょ」
「それでどれもやたら起こるわね」
「災害大国ね」
「そうよね」
「ただね」
 ここでだ、カーチャは。
 ふと気付いた顔になった、そのうえで古奈美に言った。
「戦争ないわね」
「戦争?」
「そう、これは人災だけれど」
「さっき空襲の話したけれど」
「いや、日本って戦争の被害はね」
 これはというのだ。
「これといってね」
「ないっていうの」
「そうでしょ、戦争自体少ないし」
「第二次世界大戦あったし戊辰戦争とか戦国時代とか」
「最初の以外で国の人口の何割か死んだ?」
「まさか」
 有り得ないとだ、古奈美は即答した。
「戦国時代かえって人増えたし」
「街を皆殺しにするとかなかったでしょ」
「聞いたことないわ」
 城の者を撫切りにした話はある、伊達政宗が命じたというがどうも実際はそうはしておらず周りに自分に逆らうとこうなるということを知らしめ従わせる為に喧伝したらしい。
「そんなことは」
「その大戦でもどれだけの人が亡くなったのよ」
「三百万っていうから」
 古奈美は少し首を傾げさせて答えた。
「当時もう人口一億いたらしいから」
「三パーセント位じゃない」
「そうね、四パーセントね多くても」
「ドイツとかソ連そんなのじゃなかったから」
 カーチャは古奈美に強い声で告げた。
「確かに空襲があって原爆も落とされたけれど」
「四パーセントどころじゃないのね」
「だって国が戦場になったから。イタリアもなって結構な被害出たのよ」
「そうなったらなのね」
「そう、もうとんでもないことになるから」
 こう古奈美に話した。
「ローマなんかさっきお話したけれど戦争で何度も大変なことになったのよ」
「そういえば高校の授業でもやってたわ」
 古奈美も言われて気付いた。
「スッラが攻めてきたりとかその前のケルト人とか」
「そうでしょ、私はミラノ生まれだけれど」
「ミラノもそういうことあったの」
「欧州で洒落になってない戦乱経験したことない国ってそうそうないわよ。もう宗教が絡んだりすると十字軍とか三十年戦争みたいに」
 そうした戦争の様にというのだ。
「もう国全体がボロボロになるみたいな」
「そんな戦争になるのはね」
「授業でも習ったでしょ、古奈美も」
「ええ、それはね」
「災害も怖いけれど」
 それだけでなくというのだ。
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