第二章
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「誰にも得手不得手あるしね」
「島津さんは成績よくてね」
「家庭科でも器用だし」
「性格もいいしね」
「やっぱり古いお家だからしっかりしてるわね」
そうした教育を受けてきたというのだ。
「だからそうしたところはいいけれど」
「スポーツは本当にそこそこだからね」
「授業見てたら」
「むしろ運動音痴な方だし」
「多分水泳もだし」
「だったらね」
「ここはね」
水泳大会ではというのだ。
「あくまでそれなり」
「だから一番得点の低い背泳ぎで出てもらいましょう」
「二十五メートルのそれにね」
「全員参加だけれど」
「一番得点の低いのにね」
それで出来る娘は重要な協議に出てもらう、文字通りの真相の令嬢である未可子は本当に運動については期待されていなかった。
そして本番の大会になったが。
誰もが未可子を見て息を飲んだ。
「でかいな」
「ああ、凄いな」
「九十あるよな」
「文字通りの爆乳だな」
「大きいのは知っていたけれど」
「水着だと余計に目立つな」
男子生徒達は紺と青、白の学園指定の競泳水着姿の未可子を見て話した。見れば。
未可子の胸は水着からはちきれんばかりだ、それで誰もが彼女の胸を見て驚いていた。
「凄いな」
「学年でも一二を争うな」
「他にも大きな娘いるけれど」
「島津さんもかなりだな」
「スタイルいいと思っていたけれど」
「これはかなり」
男子生徒達はこう言っていた、だが。
彼女のクラスメイトの女子達はその胸を見てもこう言うばかりだった。
「やっぱりあの胸だとね」
「体育の授業でも邪魔そうだったしね」
「胸が大きくてもいいことばかりじゃないから」
「水泳の時だって邪魔になるし」
「やっぱり背泳ぎにしてもらってよかったわ」
「絶対に遅いから」
「それじゃあね」
「島津さんの得点は低いということで」
こう話してだった。
兎に角未可子のことは期待しなかった、それで大会がはじまり。
競技は進み女子の二十五メートル水泳の時になり。
未可子がプールに入った、クラスの女子達はこの時も期待していなかった。
「参加することに意義がある」
「そういうことだからね」
「島津さんは嫌な顔一つしないで出てくれたし」
「それだけでもよかったし」
「それじゃあね」
「最後まで泳いでくれたらよし」
「そういうことでね」
いいと話した、彼女を見る目も暖かかった。そうしてだった。
競技がはじまった、すると。
未可子は信じられない速さで泳ぎはじめた、これには誰もが驚いた。
「えっ、速い」
「滅茶苦茶速いな」
「島津さん速いじゃない」
「ダントツトップだぞ」
「こんなに速かったのか」
未可子は恐ろしい速さで進んでいった、そして。
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