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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
体勢万全
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さんが一夏さんの立場でも私は同じことをしているでしょう」

「う、む……そうか、そうなのだな。うむ、それならいい。うん」

 それを聞いて箒さんは少し頬を染めて何度も頷いています。

 ああ、何かこの人すごい可愛いんですけど……
 いえ、その気はないんですけどなんていうか、可愛くありませんか? 私だけですか? そうですか……

「まあ私も負ける気はないので私の対策までは一緒に考えたりはしませんけどね」

「む……」

 途端に少し厳しい目つきでこちらを睨んできたんですけど……さすがにさっきのを見た後だと全然怖くないと言うかむしろもっと可愛いく見えると言うか……
 無性にそのポニーテールを引っ張りたくなりますね。私もサイドテールですからやったらやり返されるのが目に見えているのでやりませんけど。

「では今言ったことは一夏さんに伝えておいてくださいね?」

「うん? カルラも一緒にいるんだから言えばいいじゃないか」

「何言ってるんですか。出来る女をアピールするチャンスですよ?」

「う……うるさい! 余計なお世話だ!」

 ああ、やっぱり可愛い!

 それからさらに一時間ほど、時間としては正午ほどになるまで一夏さんには基礎の基礎を教えます。
 そろそろ時間ですね。

「ではこれくらいで終わりにしましょう」

『え? もう?』

「前に行った通り変な癖がつくと大変ですし、そろそろ次の人の使う時間です」

『そうか、分かった』

 午後からは箒さんが剣道の稽古をつけるというが私は用事があると遠慮しておきました。箒さんは良くも悪くも感情の起伏が激しいようで、二人きりで稽古できるということで今は嬉しそうな顔をしていました。 
 一夏さんと箒さんには次の日も同じ内容を行うようにと伝えておきました。基礎訓練は繰り返しが大事ですし、特に一夏さんはまだ初心者。とにかく経験が足りません。無茶をさせるよりは基礎ですね。
 それに応用は基礎が出来ていれば自分で考えることが出来ますから。日曜日も一夏さんは私に見て欲しいと言ってきましたが丁重にお断りしました。

 日本の都都逸曰く、『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえ』。
 箒さんという馬に私もまだまだ殺されたくありません。

 ちなみに用事と言うのは本当。
 何せ……一夏さんたちの後に使うのは私なんですから。

「セット……」

 周囲から複数の模擬戦用の空中攻撃目標が浮いているのがピットから確認できます。

「オープン!」

 ピットから飛び出すと同時に思いました。
 私かオルコットさんが勝つかは分からないですけど、できれば一夏さんとは戦いたくないなあ……なんて考えは甘いのだろうか……と。


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