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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
体勢万全
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は必須です。特に一夏さんは超をつけてもいいほどの初心者。仮にも代表候補生の私やオルコットさん相手には奇襲奇策の類が必須となります。
 でもそれに私が関わるとその作戦は瓦解します。なにせその内容を敵となる人が知ってしまうとそれは奇襲でも奇策でもなんでも無いから。
 オルコットさん対策には私も付き合いますけどね。

「ちなみに……」

 今私はISの頭部のみを部分展開して一夏さんとの連絡を取っています。つまり頭の周りは情報の塊。空中に画面を映し出して箒さんにも見えるようにしています。
 その画面を指で弾いて変更すると出てきたのは大量の文章。全てセシリア・オルコット専用機、『ブルー・ティアーズ』の情報が映し出されています。
 ISは慣れてくるとこういう風に部分的に展開できるのですごい便利ですね。

 ISは条約により開発したその技術を全て他国に晒すという条件の代わりに、ISの稼動状態を映した動画というのは極端に少なく、それこそ内通者でもいないと他国ISの実際の稼動状況は見られることは滅多にありません。
 そのため、戦ったことの無い機体情報はほとんどが文章でのみの理解が必要となります。

「オルコットさんの機体、『ブルー・ティアーズ』は『BT兵器』のデータをサンプリングするために開発された機体であるため、試作機という意味合いが強いみたいです」

「『BT兵器』?」

「簡単に言えばオールレンジ攻撃が可能な小型飛翔体、らしいです。私も文章のみではそこまでしか分かりませんが……この機体の武装はそこまで多くありません。主武装のレーザーライフルと近接用のショートブレード、それに今言った『BT兵器』。これが相手の全武装です」

「なるほど。ということは中遠距離タイプだな」

 箒さんの言うとおり。近接武器はショートブレードのみということは完全に射撃メインの機体ということですね。

「はい。なので一夏さんはこのまま箒さんとの剣道で基礎を磨いて、接近戦主体で行ってもらうのが一番良いかと。問題はどんな動きをするか分からない『BT兵器』の存在ですが……これは私が可能な限り引き出します。私が負けたとしてもオルコットさんの手の内は全て晒して見せますよ」

「そ、そうか……」

「なので私が負けたときは箒さんが一夏さんと対策を考えてくださいね」

 もちろん負ける気はありませんけど。

「随分一夏に肩入れするのだな……」

「へ?」

 その声に画面から顔を上げると箒さんがこちらをジト目で見ていました。
 擬音で現せばそれこそ「ジィ〜」っていうのが一番合いますけど……どうやら誤解を生んでいるようです。
 私は一夏さんを恋愛感情で見ているわけじゃないんですよ?

「あの人はこの学園で最初の友達ですから。それにもし箒
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