第四話 キリトの決意
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第一層がクリアされてから数日が経ち、間もなく第二層もクリアされた。
最初は戸惑いのあったプレイヤー達も、徐々にこの世界での生活に慣れ始め、攻略に力が入ってくるようになった。
俺は第一層攻略後すぐに第二層の主街区「ウルバス」へと足を進め、二層の転移門の有効化を行った。
それからというもの、俺は再びフィールドへとおもむきレベル上げとボス部屋の探索に力を注ぐ日々が続いた。
そして、ボスの攻略には毎回のように参加し、そのたびに他のプレイヤー達から妬みや僻みの対象として見られた。
そんな日々が続いていく内にますます俺という“ビーター”の存在が有名になっていった。
俺が居るのは第二十層。
現在の最前線である。
攻略に参加しているプレイヤー達のほとんどがこの層に集中しているであろう。
俺はいつものようにボス部屋の探索と、レベル上げに精を出していた。
今俺の目の前にいるオオカミ型のモンスター、奴らは俺“達”に牙をむき威嚇をしている。
そして、隣に佇む少女は眉一つ動かさずにオオカミの群れを見つめていた。
“サーヴァント”
ボスモンスターを二体同時に相手取り傷つくことなく討ちとってみせた規格外の存在。
あの時、いくらボスが二体とも俺たちによってHPをいくらか減らされていた後だとしても、たった一人で倒してしまうほど彼女は強力なのだ。
そんな彼女を横目で見ながら、俺はあの日の事を思い出していた。
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第二層の転移門を有効化したその日、あの声の主の事が気になって俺は第二層を突破したのにも関わらず第一層の「はじまりの街」へと足を運んだ。
相変わらずの変わらない風景を見ながら俺は目的の教会へ向かい、
そして教会の中であの男と出会った。
三十代半ばと見える風貌に、泥水の濁ったような眼。身長は180cmを超えており、ガタイもかなりしっかりしている。そしてなにより、全てを見透かしたかのような笑みがその男の表情に張り付いていた。
男の名は“言峰綺礼”。
そう名乗った男の口元は不気味に歪んでいた。
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「少年よ、君は何故サーヴァントを召喚できたのだと思う?」
目の前にいる男は唐突に聞いてきた。
正直そんなこと俺が聞きたいところである。
サーヴァントというシステムなんてベータテストには無かったし、それにコボルド王をなんなく倒したあの力、茅場晶彦が公正を期しているのならこのようなシステムを訳が無いし、バグであってもすぐに削除されるはずだ。
なのに削除されるわけでもなければ、GMからの警告も来ない。
はっきり言って異常だ。
「君は現在、何故と思っているであろう。
何故、君がサーヴァ
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