044話 学園祭編 真価と傷、一回戦の終わり
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…火炙りにもされた事はあったがそれでも何とか逃げ延びれていたのだからな……。だが、シホは違う)」
まだ自身の肩でわずかに震えているシホは幼子のようで……。
それなのに、あの悪魔共は……シホのありとあらゆる尊厳を奪い、無理やりに……されてしまった。
エヴァ達が記憶を見た時に一番最悪だと思ったのは当然シホが悪魔に食されている時だが、二番目に来るのはありとあらゆる女性がおそらくは嫌悪してシホに深く共感し奴らを憎悪までするであろう方法だった……。
「(20年だ……20年という頭が痛くなるほどの期間、シホは……)」
エヴァはそこまで思い出して、また怒りがぶり返りそうになりながらも、シホの事を気遣う。
「もう平気かシホ……?」
「うん……ごめん」
「いい、いい……なにかあれば胸はないが貸してやる」
「ありがと……」
「あとでアヤメにも報告しとくか。もう決まってしまっているかもしれない運命とは言え、その事でシホを泣かせたアルの罪は重い」
「あはは……」
シホはそれでなんとか幾分気分が治まってきたために、一回エヴァから離れて深呼吸した後に、
「うん。ありがとエヴァ。もう大丈夫……いつか越えなければならないとはいえまだ今じゃないから、その時までに覚悟決めておくね」
「わかった…………無理はするなよ?」
「ええ」
精一杯笑顔を浮かべるシホの顔は、やはりエヴァには痛々しく見えているのであった……。
◆◇―――――――――◇◆
場所は戻ってファンシーな衣装を身にまとったアスナと刹那は羞恥心から顔を盛大に赤くさせていた。
その場には持ち直したシホと、エヴァもすでにいた。
エヴァが言う。
アスナが鍛えていたとしても神鳴流の刹那には敵わないだろうと。
しかし、そこで現れるアル……クウネル。
アスナの頭を突然撫でながら、
「しかし驚きです……あの人形のように大人しかったあなたがここまで活発になるとは」
次には赤き翼の一人であったガトウ・カグラ・ヴァンテンバーグの名を出しながら、
「何も考えずに自分を無にしてみなさい。アスナさん。あなたにはできるはずだ。そうすればタカミチと同様の事があなたにもきっとできる……」
「ちょ、本当にあんた誰なの……?」
困惑するアスナをよそに、
「おい、ア「クウネルです」……なんだそのふざけた名は?ア「クウネルです」……だから「クウネルです」…………おい、シホ。こいつ絞めていいか……?」
「あ、あはは……」
お怒りのエヴァにさすがのシホも苦笑い。
誰なのかと楓達が聞いてエヴァは話す。
「ぼーやの父親の友人の一人で名を『アル……』」
「『クウネル・サンダース』で結構ですよ。それにシホに負けてしまった私
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