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吸血鬼になったエミヤ
044話 学園祭編 真価と傷、一回戦の終わり
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いわ」
「フフフ。そう言わずに。ネギ君の事を見守っていくと決めているのでしょう?」
「それはそうなんだけどね……」

 

シホの疲れ気味の表情に、アルはいくつか笑みを零した後に、

 

「それとですが、シホ……」


急に真面目な顔になって真剣な音色で話しかけてくるアルにシホは『うわっ!急に落ち着くな!?』という感想を脳内で漏らした。


「なに?急に改まって……?」
「あなたの記憶の断片を見させていただいた感想なのですが……」
「あ、それ? それがどうしたの?やっぱりグロかった……?」
「ええ、まぁ……猟奇的なものも含めてあらゆる特殊性癖が詰められていましたね、と。いえ、そういう事ではなく今後、あなたはきっと……辛い出会いをするでしょう」
「辛い出会い……?」
「ええ。捕まった後に正気を失い意識が幾度も朦朧とするほどの凄惨な体験をしていたからあなたはいちいち奴らにされたことを事細かくは覚えていないのでしょうが……」

 

 



 

「―――――…………です」
「ッ!?う、っぷ……」

 

 

 
 

それをアルから聞かされたシホは口元を手で覆い吐きそうになり、もう片方の手を震わせながらお腹のある部分をさする仕草をしたというだけ……。
それほどにその内容が強烈だという事……。
もし、もしそれが本当だとすれば……シホは今後また幾度も正気を失うかもしれない事実であった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

 

シホはアルと一旦別れたあと、青い顔をしながらもいつまでもこんな顔ではいられない。カラ元気でもみんなの前ではいつも通りでいようとした。
しかしその姿はとても痛々しかった……。

 

そんなシホは、それでもタカミチとの勝負で勝利したネギの元へと向かった。
到着してみればそこではすでにみんなに囲まれてもみくちゃにされているネギの姿があり……。
ネギはシホが来てくれたのを気付いたのか、

 

「あ、シホさん!」
「ネギ先生……その、おめでとうございます!」
「ありがとうございます!」

いまはただただネギの感謝の顔が眩しいと感じたシホ。
そこにハルナが待っていたと言わんばかりに、

「そういえばエミヤンもすごかったじゃん! なに、あの動き!?エミヤンってあんなに強かったの!?」
「ま、まぁ……そこそこは」
「あのフードの人もなんかすごかったけど……あの本はなんだったんだろうね……?」

 

ハルナのその一言に魔法関係者はビクッと震える。
しかし、シホも慣れたもので。

 
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