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絶対に勝てない人
第三章

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「今も音楽出来てるのはね」
「お仕事にしててね」
「それはどうしてかっていうと」
 今は住んでいるところが違い久し振りに大学の同窓会で会ったのでそこで天に話したのだ、二人共今はビールを飲んでいる。
「やっぱり努力していたし」
「今もしてるのね」
「ええ、正直今もね」
「あの人には及ばないのね」
「とてもね」
 こう天に言い切った。
「足元にも及ばないわ」
「絶対に勝てないのね」
「ええ、けれどね」
 それでもとだ、天にさらに言った。
「目標と思ってね」
「それで頑張ると」
「そうしたらね」
 それならというのだ。
「人間何かになれるものね」
「そういうことね」
「あんたが言った通りよ」
「努力していたら」
「人は何かになれるのよ」
「そういうことね」
「あの人は今やフランスに行かれて」
 欧州のこの国にというのだ。
「ソロで活動されているわ」
「フルートで?」
「ピアノでもね、作曲も有名だし」
「やっぱり凄い人ね」
「それで相変わらずお奇麗で」
 容姿も端麗でというのだ。
「それで性格もね」
「聖人なのね」
「礼儀正しくね、あちらでもそのことでも評判なのよ」
「相変わらずチートなのね」
「だから到底敵わないけれど」
 そう思っているがというのだ。
「けれど今もね」
「目指しているのね」
「そうしているわ、絶対に敵わない人でも」
「やっぱり近付ける様に努力する」
「それが大事よね」
「そうね、なれなくても」
「近寄れる様にね」
 そうなる様にというのだ。
「努力しないとね」
「そして努力すればね」
「何かになれる」
「そうよね」 
 二人で笑顔で話した、そしてだった。
 日向はジョッキのビールを美味そうに実際に美味いと思いながらゴクゴクと飲みながら天にこうも言った。
「だからあの人には絶対に勝てなくても」
「近付く様に努力していくのね」
「これからもそうしていくわ」
「そうね、私も私なりに努力してるつもりだし」
 天は自分のことを話した。
「今の私があるのね」
「人間努力しないと何もなれないし」
「だったらね」
「何にしても努力ね」
「それをしていかないと駄目よね」
 二人で笑顔で話した、日向は生涯その人を目指し続けた、すると日本でも有名な奏者になった。そして天も努力して実家の店を大きくすることが出来た。二人共結婚して子供が出来てからもそうしていった。そして幸せにもなれた。努力しているが故に。


絶対に勝てない人   完


                    2021・9・22
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