第111話『情報戦』
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長、一応ですが猿飛先輩の情報はあります」
「ん? あぁ、そういや弟子入りしたんだってな。早速師匠の懐を探るとは、お前はスパイの素質がありそうだ」
「嫌ですよそんな素質! 普通の弟子です!」
ここで元魔術部の2人の話は棚に上げ、他の2人の話に入る。
そこで晴登は、先日特訓の折に聞いた話を聞かせようとしたが、あらぬ誤解を受けてしまった。
「冗談冗談」と笑って誤魔化す終夜を尻目に、晴登は風香について覚えてる限り説明する。
「ほ〜ん、あれでレベル2なのか……」
「それ聞いた時は驚きました……」
風香の能力である"疾脚"はレベル2だと教えられた。彼女の試合を見た後でそれを聞いたので本当かと疑いたくなったが、"制限"として脚にしか魔術を使っていなかったことは、予選から見ても明らかだ。
ただ彼女は"制限"があったからこそ、走りや蹴りなど脚に絞って訓練できたのも事実。低レベルの能力だからと、油断は決してできない。
「ちなみに部長、"制限"って知ってました?」
「ん、まぁ知らない話じゃない。ただ、そういうもんだと思えば案外気にならないもんさ。工夫次第でどうとでもなるしな」
話のついでに、初耳だった"制限"について終夜に訊くと、あっさりと答えられた。
やはり考えた通り、"制限"があったらあったで、その強みをどう活かすかが重要になるということだ。
「"制限"と言えば、辻の能力はわかりやすいよな」
「そうね」
「え、何かあったんですか?」
「まぁね。私の能力って、実は"刀"をモチーフにしないといけないの。ただ焔を纏ったり、雑に放出するくらいならできるけど、技とかは基本的に"刀"が基盤になってるわ」
「あ、じゃああの焔の柵とかも……?」
「あれは刀を柱として設置してから、その間を焔で満たしてるの」
「そんな裏が……!」
焔の柵とは、裏世界で一度だけ見た緋翼の技なのだが、あの一瞬の生成の裏にそんな仕組みがあったなんて。なんか聞いててワクワクする。
言われてみると、緋翼は焔を刀に纏わせたり、焔の斬撃を飛ばしたりはするが、それ以外の行動を見た覚えがない。どれもこれも、彼女の能力の"制限"が理由だったのだ。
「部長は何かないんですか?」
「う〜ん、俺はあんまりないかな。ただ実のところ、"麻痺"は練習の賜物だぜ? 電力を調整して、相手の神経を痺れさせる程度に留めるという高度なテクニックを使ってるんだ。俺が魔術を覚えたての頃は──」
「はいはい、その話は長くなりそうだからストップ。今は作戦会議でしょ?」
終夜が得意気に語り始めようとしたところを
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