第111話『情報戦』
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。これまでの魔導祭の記録を見た限りな。俺なんてボコられた記憶しかねぇ」
終夜はそう零して、やれやれと首を振る。
歴代の日城中魔術部の中でもトップクラスに強い──これがどれくらい凄いのかは測りかねるが、終夜より強いというだけで相当な実力であることは明白だ。
そんな人物の能力とは──
「能力は"星夜"。星の力を利用して戦うんだ」
「星の力……?」
「とりあえず色んなことができるし、どれもスケールがデカい。本気を出せば、隕石だって降らせることができる」
「え、ヤバっ!?」
驚いて思わず起き上がってしまうほどには衝撃的な内容だった。隕石を降らせるなんて、チートもいいところじゃないか。
あんな快活な少女がそんなえげつないことをするなんて……想像もできない。
「他のメンバー2人の実力も相当だろうが、1人を選出するとすれば星野先輩で確定だろう。レベル4の魔術師だが、限りなくレベル5に近い人だ」
「そんな凄い人だったんですね……」
隕石を降らせると言われれば、レベル5に近いというのも納得だ。能力の詳細はわかっていないが、星の力を使うなんて聞くだに強そうである。むしろなぜレベル5じゃないのか。
「幼い頃から魔術を習得したらしく、その分鍛錬も積んでるからな。ずっと、俺の憧れの人だ」
「あんたいつも鬱陶しいくらいに付きまとってたものね」
「おい、それだと俺がストーカーみたいじゃねぇか」
「あながち間違ってないと思うけど」
そんな終夜と緋翼の軽口を聞きながら、晴登は考える。
終夜の言う通りであれば、彼女は鍛錬を重ねることでレベル以上の力を手にしたと考えるべきか。となると、結月と違って練度も高いはず。突く隙のない手強い相手になりそうだ。
と、そこまで考えて、はてと疑問が浮かぶ。
「そんな凄い人がいたのに、魔術部は予選止まりだったんですか?」
「おま、よくそんな簡単に痛いところ突けるな……」
「あ、いや、単純に疑問で……」
「はぁ……簡単な話だ。予選のルールを思い出してみろ。1人が強くたってどうにもならないんだ」
「あぁ〜」
どうしてそんなに強い人がいたのにもかかわらず、去年や一昨年の【日城中魔術部】が予選を突破できなかったのか。
それは単に、予選のルールがチーム全体の実力を重んじるような内容だからである。今回だって、少しでも晴登がヘマをしていれば予選突破はありえなかった。1人の力ではなく4人全員の力が合わさることで、この魔導祭は勝ち進めるのだ。本戦を通しても、その傾向はよく感じ取れる。
「じゃあ他に、【花鳥風月】について何か知ってる奴はいるか?」
「部
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