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最期の祈り(Fate/Zero)
複雑な名前
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来た。だが、全てを失った今は自分を見つめ直さなければならない。ならば、あの日の記憶とも向き合わなければならない。だが、それは自傷行為とも言える。瘡蓋であれ、癒えた傷口を自ら抉じ開け治療するのだ。もしかしたら、何もしない方がいいかもしれない。だが、それでも……
「……今は未だ止めておこう」
どちらにせよ、直ぐに解決する問題ではない。今はするべき事を終わらせよう。幸か不幸か編入手続きのせいで夕方まで予定は埋まっている。さっさと片付けてしまおう。



職員室にて
「織斑先生」
「山田先生か。衛宮の編入の件、大分動いて貰って助かりました」
「いえいえ。これでも副担任ですから」




「しかし、ビックリしましたよ。織斑先生の弟さんに続き、2人目の操縦者だなんて」
「……その件なんですが、幾つ気になる点が」
「……やっぱり戸籍ですか?驚きましたよ。入学手続きを取ろうとしたら、国籍が無いので入学不可。結局、日本政府が直々に国籍を偽装して編入枠の方に滑り込ませる事になりましたから」
「……まぁ、それもなんですが」
「未だ何か在るんですか?」
「アレが何処でISを起動させたか気になりませんか? 一般男性では通常あれには関われないのに?」
「そういわれてみれば……何処かで拾ったとか!……は流石に無いですよね」
「だとしたら話しもここまで拗れなかったのだが。衛宮は既にISのコアを持っていた。正確には、コートのポケットの中に入っていたのだがな」
「それって……どこからか盗んだって事ですか!?」
「いや、IS保有国からはどこからも被害申告はされてないから違うだろう」
「そうなんですか……しかし、切嗣君って本当に不思議ですよね。どこからともなく現れて」
「編入テストでは山田先生を倒してしまったりか」
「っ!?もう、からかわないで下さいよ……」
「冗談だ。しかし、アイツの事はしっかり見てやって下さい。アレを見ているとハラハラさせられる」
「分かってますよ。これでも副担任ですから」



そう言うと、眼鏡をかけた女性は授業の練り直しをするためその場を後にした。その後、その場に残った妙齢の女性が誰に言うでもなく呟く。

「しかし、本当に何なのだ、あのコアは。産みの親である束も解除出来ないほど強力なプロテクトがかかっているとは……」




歯車は回る……
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