第二百二十話 ハイランダーの影その七
[8]前話 [2]次話
久志は敵兵達も捕虜にしていった、そうしてだった。
リバプールの宮城に迫った、そこもかなりの堅固さであったが。
大砲を持って来させてだった、術もモンスター達も前に出し。
壁を壊した、そして正門もそうし。
その中に雪崩れ込んだ、だがそこを守る兵は。
少なかった、それで久志は言った。
「まさかと思うけれどな」
「既にね」
淳二が応えた、今彼等は宮殿の中にいてその掌握にあたっている。
「敵の殆どは逃げてね」
「それでな」
「残っているのは足止めかな」
「味方の撤退を助けるな」
「そうかもね」
「敵の王様はまだ戦うつもりだしな」
久志は個々で鋭い目になって述べた。
「スコットランドに逃れてな」
「自分の本拠地でね」
「だったらな」
「ここではね」
「戦ってもな」
それでもというのだ。
「本腰じゃないな」
「そうだよね」
「まだだ」
まさにというのだ。
「まだ戦うつもりだからな」
「ここはね」
「逃げてもな」
そうしてもというのだ。
「不思議じゃないな」
「おいらもそう思うよ」
「逃げて逃げてか」
「そして最後までね」
「戦うんだな」
「逃げるって色々言われるけれど」
淳二はその逃げることについて述べた。
「恥じゃないよ」
「逃げるのも戦略だからな」
「まずいと思ったら逃げてね」
「再戦を誓ってもな」
「逃げることだよ、そしてね」
「最後まで戦うことだよな」
「そう、最後まで戦うつもりなら」
それならというのだ。
「逃げることもね」
「戦略の一つだな」
「撤退戦術もあるしね」
「そうだよな」
「だから王様が逃げたとしても」
「恥でもないしな」
「卑怯でもないよ」
戦略戦術の一つに過ぎないというのだ。
「別にね」
「むしろ見事だな」
「そう、上手に逃げることも」
このこともというのだ。
「大事だよ、それに宮城の兵は」
「ああ、守りが堅い兵種ばかりだな」
「アーマーナイトとかね」
「守りの堅い連中で足止めしてか」
「後詰めにしてね」
「その間に逃げるか」
「撤退の基礎だよ」
守りの堅い者を後詰めにして彼等で敵の追撃を防いでいる間に主力は安全な場所まで逃れることはというのだ。
「まさにね」
「そうだよな」
「それをしているだけで」
「帝国はな」
「おかしなところはないよ」
「そうだよな」
「恥ずかしいことでもないよ、そのアーマーナイト達も」
敵の後詰めである者達もというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ