剣〜
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久しぶり・・・でもないか。二日ぶり」
「う、うん。・・・びっくりした。そっか、早速来たんだ。言ってくれればわたしも一緒したのに」
・・・そしてリズは見てしまった。キリトと話すアスナの顔を。笑顔で、少しだけ赤くなっているその顔を・・・一瞬、悲しげな表情をリズは浮かべたが・・・アスナに話し掛けられるとすぐ笑顔に戻る。
「・・・」
するとリズはアスナを連れて裏通りに向かっていった。俺はキリトを睨み・・・
「・・・何でお前は何時も・・・このアホ!」
「な、なんでいきなり罵倒するんだよ」
それに答えずに俺は、裏通りにあるオープンカフェに向かい、二人を発見する。
「・・・どうしたの、リズ・・・?」
カフェの陰からそのまま二人の会話を聞く。・・・聞き耳スキルなんて持ってないので不安だったが・・・平気なようだ。
「あの人なんでしょー」
リズの明るい声。だが、さっきの顔を見たせいで・・・それが演技にしか聞こえなかった。
「え、ええ?」
「アスナの、好きな人!」
「あ・・・・・・・・・うん」
・・・
『痛いッス!咲さん、両手は不味いッスー!』
「(あ・・・悪い)」
気がついたらリパルをあの二つに割るアイスの要領で握り締めていた。
「確かに、変な人だね、すごく」
「・・・キリト君、なにかした・・・?」
「あたしの店一番の剣をいきなりヘシ折ってくれたわよ」
余罪判明。あの野郎・・・ガチでシバくか。リズはとにかく明るい声で経緯をアスナに説明していく。そして・・・
「まあ、ヘンだけど悪い人じゃないわね。応援するからさ、頑張りなよ、アスナ」
「う、うん、ありがと・・・」
「・・・あ、いっけない!あたし、仕入れの約束があったんだ。ちょっと下まで行ってくるね!」
走り出す音。俺は反射的に飛び出していた。
「え、サキ?」
「ちょっとリズを追い掛けるよ。一人じゃ心配だし」
「あ、うん。・・・って今の話を聞いてたの!?」
「え・・・あー・・・その話は後で!」
「ちょっと、サキ!?」
・・・ああ、こりゃ盗み聞きした罰は説教かな。そう思いながら俺はアスナの視界から逸れる・・・カフェの死角の場所に急ぐ。そこに・・・
「うぐっ・・・うっ・・・」
・・・リズがいた。物陰に隠れるように、泣いていた。
「リズ」
声をかけるとリズの身体がビクッ、と反応する。
「サキ・・・何で来たの・・・こんなの、見られたくないのに・・・」
「友達を放ってはおけないよ」
俺はリズの隣に座る。
「・・・あたし、ね。キリトに・・・牽かれたの。一日あいつと一緒にいて・・・」
「・
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