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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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魔道世界、またを原初世界アースガルド。6千年以上も前に起こった時空間の流れを大きく破壊した大災害、対時空間殲滅級攻性魔術“ラグナロク”の影響によって分断されたことで生まれた、上位次元世界の中心に位置する世界。
“アースガルド”は地表唯一の陸地、“聖域イザヴェル”以外がすべて海となっている世界だ。“イザヴェル”よりそびえ立つは、全高2万mという超が幾つも付く高層建築物、“支柱塔ユグドラシル”。その塔の半ば辺りには2つの大陸、およそ2000の島が浮遊している。
元々は4つの大陸で、“神聖なるものセインテスト王家”の治める“グラズヘイム”。“清廉なるものレアーナ王家”の治める“ヴィーズブラーイン”。“教誨なるものグローリス王家”の治める“アンドラング”。“絶対なるものクルセイド王家”の治める“ギムレー”からなっていたが、“ラグナロク”によって“ヴィーズブラーイン”と“アンドラング”は大海に沈んだ。
しかし千年の時を経て上位次元世界に神秘が戻ったことで、落ちた2つの大陸は大小さまざまな島となって再浮遊していた。
“ラグナロク”の影響を受けながらも沈まなかった“グラズヘイム”大陸。大陸と同じ名を冠するグラズヘイム城は、セインテスト王家の居城だ。6千年以上経過しようとも豪華絢爛の外観や内装は変わらず、その威容を見せつけていた。
「本当にルシリオン様は近い内に帰って来られるのか?」
「ヨルムンガンド、しつこい」
グラズヘイム城の長い廊下を早足で進む集団が向うのは、ルシリオンの肉体が封印されている玉座の間。白い髪、白い肌、灰色の瞳、白のタキシード姿の40代ほどの男ヨルムンガンドが、先頭を歩く黒い女性に問う。
「おそらくとしか言えないけど、確かに私は見たの」
「
ルシリオン
(
グローイ
)
がガーデンベルグを討ったという映像か?」
先頭を往くはフェンリル。ルシリオンの使い魔にして、彼の肉体を封印した神獣である。くるぶしまで伸びる黒髪、蒼い瞳、黒いホルターネックのプリンセスラインのロングドレス姿で、頭から生えた耳をピコピコ動かしながら「信じていいと思うよ、フレースヴェルグ」と答えた。
「マリアという少女の言葉と、その彼女から貰った例のモノ、そしてヨルムンガンドがアールヴヘイムで逢ったというグローイ。それらを考えれば真実と考えるべきだろうが、そんな奇跡のようなものが本当にあると?」
フェンリルにフレースヴェルグと呼ばれた20代後半ほどの女性。赤茶色の髪はシニヨンにし、金色の瞳は視力が良すぎることで常に閉じられたまぶたに隠れている。服装は白いマーメイドラインドレス。彼女の白い肩にはヴェズルフェルニルという名の鷹が1羽留まっている。
フェンリル、ヨルムンガンド、フレースヴェルグ、この場には居ないラタトスクは、アースガルドの守
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