暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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出した首相を始めとした政府で運営って感じ」

アースガルド四王族の一角たるグローリス王家の結末を聞き、ルシリオンは寂しそうに「そうか」と頷いた。そんな彼にフェンリルは「グラズヘイムだけでも王政に戻す?」と尋ねる。

「・・・いや。王政廃止から5千年なのだろ? 今さら戻す必要は無いだろう。それに、私に政治家の才能があるとは思えない。大戦時は政務官たちに任せきりだったからな」

「じゃあ、そう伝えとく。あ、でも頼まれたら?」

「断るよ。現代のアースガルドと、私の知るアースガルドではいろいろと考え方も違うだろうし、その差を埋める時間で政治を疎かにするわけにいかない」

シグルリンが手振りでシエル達の遺体が収められた柩を操り、王侯貴族の柩が並ぶ最上列へと移動させた。柩が空高くにまで運ばれていくのを見届けた後、フェンリルは「次はどうする?」と問うた。

「シエル達の魂を解放し、遺体も霊廟に安置できた。なら残るは・・・ノルニル・システムと戦天使(ヴァルキリー)を再起動させるだけだ」

「うん、まぁそうだよね。・・・でも、それもちょっと待ってくれるかな? ヴァルキリーって軍事力に当たるんだよね。そういうわけで、同盟世界の協議が必要なの」

「・・・・・・。本当に時代が変わったんだな。判った。その辺りは任せる」

「んっ! じゃあさ、食事を用意するから少し休もうよ。時間凍結と言っても長時間の封印には変わらないから」

「そうさせてもらおうか。シグルリン、ありがとう。今後も霊廟の管理を任せる」

「かしこまりました。全身全霊を以て任を果たしましょう」

最後にルシリオンは「また来るよ」と空に並ぶ柩に告げ、フェンリル達と共に“ユグドラシル・マウソレウム”を後にした。先ほどのバルコニーからグラズヘイム城に戻るために呼び戻したフレースヴェルグの背に乗ったところで、フェンリルは自分の胸の間に右手を突っ込み入れた。

「そうそう。マスターに渡さないといけない物があるんだった」

「フェンリルよ。以前から言っているが、胸の間に物をしまう癖は直せ」

「えー。便利なのに・・・って、そんなことより、はいどうぞ!」

フェンリルが胸元から取り出したのは、ルシリオンが目覚める前にも触れていた小さな球体。それを彼に向かって差し出した。ソレを受け取ったルシリオンは「なんだコレは・・・? ん? 待て、おい! コレ、眼球じゃないのか!?」と驚愕の声を上げた。

「テスタメントのマリアって子が私に預けた物なのね。・・・ちなみにソレ、テスタメントだった頃のマスターの眼球、その魔力体って話」

「私の眼球!? 確かに光彩は私の左目と同じルビーレッド色だが・・・」

怖ず怖ずと自分の眼球だと聞かされたソレを眺めるルシリオンの目と、眼
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