暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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い。フレースヴェルグ、ちょっと元の姿に戻って」
「なに?」
「今のアースガルドなら空から見てもらった方が早いし、ユグドラシルの霊廟に行くにもその方が早い」
フェンリルの提案にルシリオンは少し残念そうな表情を浮かべたが、「今はシエル達の解放が先だ。それでいこう」と、彼女の提案を飲んだ。それでフレースヴェルグも「仕方あるまい。乗るがよい」と小さく嘆息して、その姿を人が10人乗ってもまだ余裕のある大きな鷲へと変化させた。
本来の姿に戻ったフレースヴェルグは、10mはあろうグラズヘイム城の城塞の高さより身長があるため、門扉の向こう側が騒然となる。その騒ぎを治めるためにヨルムンガンドはこの場に残ることとなり、ルシリオンとフェンリルの2人だけがフレースヴェルグの背に乗った。
「いってらっしゃいませ、ルシリオン様」
「ああ、行ってくる」
『往くぞ。落ちぬようしっかりと掴まっていてくれ』
口頭ではなく念話でそう伝えてきたフレースヴェルグに、ルシリオンとフェンリルは頷きながら体毛とギュッと掴んだ。羽ばたきを2回行い、3回目で空へと上がったフレースヴェルグは一気に高度を上げ、“ユグドラシル”へ向けて飛ぶ。
「どう? マスター。マスターの記憶の中のアースガルドとは違うでしょ?」
「あ、ああ・・・全然違う。この光景を見せられたら信じるしかないだろう」
2つの大陸はそのままに、墜落した残り2つの大陸が幾多の島となって“ユグドラシル”の周辺に浮いている様は、ルシリオンの記憶の中にはないものだった。さらに当時には無かった、レトロなデザインの自動車や路面電車が専用レーンを走っていた。さらには大陸・島間を繋ぐ鉄道も走っている。
「あれ? マスター、鉄道などを見て驚かないの? テスタメントの頃の記憶を失ってるみたいなのに」
「幼少の頃に両親の指示で、転移門を使っていろいろな世界に飛ばされていたからな。転送先の異世界でああいった移動道具を見たことがある。まぁこのアースガルドで見ることになったのは驚いたが・・・」
「あー、そうだったっけ・・・。アノルとイシルも、悪い子じゃなかったんだけどね・・・。マスターにしたことを考えれば、親としては失格だと思う」
「父様と母様も、千年と続く大戦を終結させようと必死だったんだろう。アースガルド四王族として、その責を果たそうとしたんだと思う。ま、フェンリルの言うように親失格で、今でも嫌いだがな」
グラズヘイム大陸を一通り空から見て回ったルシリオン達は、いよいよ本命の“ユグドラシル”へ。100m間隔に設けられている公園のように広いバルコニーに降り立った。その場で羽ばたき続けて浮遊しているフレースヴェルグは『ラタトスクにグローイが目覚めたことを伝えておく。帰る際は呼んでくれ』と
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