暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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“ラグナロク”直後からルシリオン封印までの10年の間、他大陸墜落時に起きた地震などによって城下町も湖岸都市も被害はあったが、復興は順調に進んでいたため万全とは言えないが綺麗なものだった。その当時の景色を思い浮かべながらルシリオンは庭へと出た。

「あー! ルシリオン様だー!」

「おはよーございまーす!」

「お寝坊さんですねー!」

妖精(エルフ)・・・!」

玄関から城塞正門へと続く石畳の路の両側にある花壇や果樹の世話をしていたのは、手の平サイズや子ども・大人サイズと様々な体格を持つ妖精エルフ、またをアールヴ。光煌世界アールヴヘイムにて最も生まれやすいためにそう呼ばれる種族。手の平サイズは小エルフ、人間の子ども・大人サイズは大エルフと呼ばれる。実体はあるが霊的存在でもあるため不老不死ということもあり、ルシリオンと面識のあるエルフも多数いた。

「6千? 7千年くらいぶりですか? 長き眠りからの目覚め、お待ちしておりました」

執事服を着用した老齢男性姿のエルフがルシリオンの元へと駆け寄り、彼の前で片膝立ちになって一礼した。ルシリオンは「スマル。お前までそう言うのか?」と嘆息した。スマルと呼ばれた老人エルフがフェンリル達をチラリと見、フェンリル達は肩を竦めて首を横に振った。

「なるほど。それではルシリオン陛下。言葉で足りぬのであれば是非ご覧ください。生まれ変わったグラズヘイムを、アースガルドを」

スマルらエルフと共に正門へと近づくルシリオン一行。そしてスマルと、別の大人サイズの女性エルフが門扉の両端に立ち、壁から突き出ているレバーを握った。重く背の高い門扉の向こう側からがやがやと人の声が聞こえることで、ルシリオンは早く外に出たいとそわそわしだす。

「マスター。ちょっと失礼するね〜」

「む? ローブを着せてどうするんだ?」

フード付きのローブをルシリオンに羽織らせ、フードを目深に被らせたフェンリル。ヨルムンガンドが彼女に代わり「ルシリオン様の復活は、民を混乱させますので」と答えた。彼が言うにはルシリオンの存在はアースガルドのみならず今なお関係が続く同盟世界でも伝説・神話となっている。人間でありながら再誕戦争や“ラグナロク”の体験者。いずれ覚醒する神話の王として、その復活は待ち望まれている、とのことだった。

「グローイの復活は、アースガルド民および各世界へ連絡をした後、公式に復活を称える儀を行うつもりだ。それほどまでに今の貴方は有名人なのだ。これが冗談で言っていることではないと、我の目を見てくれれば判ろう?」

「っ・・・本当に何千年も経過しているのか・・・?」

「やっと解ってくれた?って言っても、普通は信じられないよね。・・・あ、そうだ。スマル、スヴァリ。やっぱり門は開けなくてい
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