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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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なった覚えはないぞ」
「そう・・・。聞いて、マスター」
フェンリルは“ユルソーン”で貫かれた後、“テスタメント”となったこと、“堕天使戦争”決戦が行われた世界にて、八神はやてを始めとした女性たちと過ごした時間を、懇切丁寧にルシリオンに伝えた。しかしルシリオンは聞かされた話を「あり得ない」と一蹴した。
「神意の玉座? テスタメント? 2万年、6千年? 私がシェフィ以外の女性を好きになる? フェンリルよ。それはおかしい。お前たちが私の代わりにガーデンベルグ達を救ってくれたのだろう? そんな変な作り話なんて考えなくていい」
そう言ってルシリオンは、自分の顔を覗き込んでいたフェンリルの頭を優しく撫でてから、「しまった!」と勢いよく立ち上がって、玉座の間の出入り口に向かって駆け出した。その行動にフェンリル達は呆けたがすぐに「どこへ!?」と行き先を尋ねた。
「決まっている! 堕天使戦争が終結したのなら、私の創世結界に囚われているシエル、シェフィ、カノンの遺体と魂を解放しなければ!」
ヴィーグリーズでの戦いでリアンシェルトに殺害されたシエル、ガーデンベルグに殺害されたシェフィリス、シュヴァリエルに殺害されたカノン、3人の肉体と魂は、ルシリオンと“エグリゴリ”の戦闘に巻き込まれないようにという配慮の下、彼の創世結界に封印されていた。
「ということは、行き先は霊廟か。あ、マスター。霊廟なんだけど、この数千年でちょっと変わって――」
「まだ言っているのか。どれだけ時間が掛かっても数年程度だろう?」
フェンリルの話を聞こうともせずにルシリオンはグラズヘイム城のメインエントランスホールを目指して一気に駆け抜けた。その間、城内で誰ひとりとして会わないことを怪訝に思ったルシリオンは、後ろを付いて来るフェンリル達に「他の民はどうした?」と尋ねた。
「ラグナロクの影響でアースガルド民の犠牲者はおよそ500万人にも達した。だが全滅したわけではない。俺とシエルとシェフィとカノンがヴィーグリーズに出撃した時、280万もの民が居た。グラズヘイム城にも避難民がたくさん過ごしていたはずだ。そんな彼らはどこに居る?」
「グローイ。先ほども言ったが、貴方が封印されてから6千――正確には、6千と8百と24の年月が経過している。無論その間にアースガルドは復興を遂げたのだ。城外に出て、今のアースガルドを見るといい」
「・・・」
フレースヴェルグにそう言われたルシリオンはゴクッと唾を飲み、巨大な両開き扉を外に向かって押し開いた。
セインテスト王領グラズヘイム大陸。その南部に王都グラズヘイムはある。31,200q?という広大なドロースヴァーガル湖内の島にグラズヘイム城と、王都である城下町が建てられており、湖を囲うように湖岸都市がある。
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