暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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護神獣である。大戦が始まるずっと昔から今日までアースガルドを見守り、最後の王族であるルシリオン・セインテスト・アースガルドの復活を待ち続けていた。

「実際に界律は在られるし、我ら神獣の存在がすでに奇跡のようなものだがな」

「しかし神意の玉座やテスタメントというものなどは知らんぞ?」

「私たちにすら隠されるべき情報だったのかも。とにかくその玉座にマスターの精神やマリアっていう子がいて、向こうの時間で2万年近くテスタメントをしていて、こっちでは今時代まで下位次元世界のミッドガルド――じゃなかった、ミッドチルダで活動していたみたいってこと」

フェンリルが豊満な胸の間からピンポン玉サイズの球体を取り出した。愛おしそうに両手で掬うように持ち、「信じようよ。マスターは絶対に帰ってくるって・・・」と祈るように言った。

「待つ他なし、か」

「何年でも待とうではないか。我らに寿命はないのだから、幾年でも待ち続けることが出来る」

フレースヴェルグがフッと儚げに笑うと、フェンリルも「だね」と頷き、ヨルムンガンドも「ああ」と同意した。そんな3人は改めて玉座の間へと歩みを進め、入り口の両開き扉の前に立った。そして室内へ向けて開こうとフェンリルが扉に触れた瞬間・・・

「「「っ!?」」」

扉越しからでも伝わる強大な魔力反応に呆けるフェンリルに代わって、フレースヴェルグとヨルムンガンドが蹴破る勢いで扉を開けた。半径40mの円形ホールである玉座の間。出入口の扉の反対側の奥、本来は玉座が置かれている三段の檀上に、時間凍結封印されたルシリオンの肉体が収められている結晶体が安置されている。

「この魔力・・・! マスターの!」

「ほ、本当にルシリオン様がお戻りになるのか!」

「間違いない! 見よ! ガーデンベルグのユルソーンによって開けられた腹の穴が再生してゆくぞ!」

時間凍結封印とは名の通り結晶内の対象の時間を、封印時から1秒たりとも進ませないというもの。ルシリオンの場合は、ガーデベンルグの神器・“呪神剣ユルソーン”に貫かれて不死と不治の呪いを掛けられた後、瀕死のままに上級術式でガーデンベルグら“堕天使エグリゴリ”を撤退させ、フェンリルにここグラズヘイム城まで回収されてからだ。
本来の効果であれば封印を解除してから再生が始まるものだが、神意の玉座からの干渉ということで、解除されずともルシリオンの受けた損傷が逆再生されているかのように回復していく。

「タイミングを間違えるなよ、フェンリル」

「わ、判ってる! 傷が完全に修復されてから封印を解く!」

「そろそろではないか?」

「体表面だけが治ったように見えて内臓がまだだったりしたらまずいし、もうちょっと様子を見よう」

そうしてじっくりとルシリオ
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