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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga31王の帰還〜Return〜
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。わたしじゃないって。だからはやてに託す」

シャルちゃんが私の両肩に手を置いて、「行っておいで」って微笑んでくれた。目頭が熱くなったけど涙を堪えて「おおきにな。いってきます」って微笑み返した。

・―・―・終わりや・―・―・

「そうか。シャルが・・・」

「まぁ確かに、アイリ達の中じゃシャル、というかシャルロッテが最もマイスターと同じ時間を過ごしたんだもんね。それ含めて、はやてに譲ったって感じなのかな?」

「あのな、ルシル君。・・・私で良かった? 私で嬉しかった?」

シャルちゃんは、ルシル君は私を待ってる、みたいなことを言うてくれた。そやけどそれは、あくまでシャルちゃんの考えでもあるわけや。実際にルシル君がどう思うてくれたんか気になったから、どんな答えが返って来てもええようにグッと覚悟する。

「嬉しかったよ、もちろん。・・・もう一度、はやてに逢いたかったと思っていた」

「ホンマ?」

「本当だとも。・・・はやて。君のことが好きだと言ったら困るだろうか?」

私の太ももに頭を乗せてるルシル君が、少し不安そうな瞳で私を見上げながらそう聞いてきた。私は小さく嘆息してから「あのなぁ、ルシル君」とおでこをペチンと優しく叩いた。

「子どもの頃から私はルシル君に好き好きオーラ出してたんよ? しかもこっちからキスだって何度もした。さらに言えばついさっきも愛の告白にキスもやった。これでルシル君から好きだって言われて、私が迷惑すると思うか? ん?」

「お、思わないと思います、すいません」

「よろしい。・・・えっと、つまりルシル君は、シャルちゃんやトリシュよりも私のことが好きやってことでええんやな?」

「ああ。好きだ。帰りたくないと本気で思えてしまうほどに、この世界ではやて達と一緒に過ごす時間が愛おしく、はやて自身にも恋をしている」

「〜〜〜〜〜っ!」

顔どころか全身がカッと熱くなった。子どもの頃から待ち望んでたルシル君からの告白を聞けて、ホンマに嬉しくて涙が溢れてくる。そやけど、「ごめんな。やっぱりもっと早くに聞きたかった」って考えてしまう。

「返す言葉もないよ。消える直前、最後の最後まで覚悟を決められなかった俺の問題だ」

存在感がホンマに薄かったルシル君やったけど、そこまで言うたところでグッと存在感が濃くなって、ピリピリと魔力が強くなった。それでアイリが「マイスター! 何を犠牲にしたの!?」って問い質した。犠牲ってゆう言葉に私は「ルシル君・・・!?」を見つめた。

「大したことじゃない。堕天使(エグリゴリ)にならなかった戦天使(ヴァルキリー)の神器を消費しただけだ。アースガルドに帰ればオリジナルの神器があるし、大丈夫だよ」

そう言ってルシル君は自力で起き上がって、
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