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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第六十話  衝突する魔導師
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出て行った。

「……父さん。あいつがどうかしたのか?」

さりげなくアスカを目で追っていた恭也が、隣に座る父に話しかけた。

「恭也はどう思った。あの子の事を」

「どうって……特には何も?」

何を言われているのか分からない恭也は首を捻る。

「そうか。いや、何でもないんだ」

士郎はそこで話を終わらせて身体を洗い始めた。

(リラックスしているようで、足はしっかり床に付けていた。何があってもすぐに動き出せる体勢をとっていた……あの子はいったい何者なんだ?)

僅かな時間しか目撃していない少年が、決して油断していない事に士郎は気づいていた。

まるで現職軍人のように構えている少年に、士郎は只ならぬ気配を感じていた。

一方のアスカはと言うと……

「無理無理無理無理無理無理!あの人の近くにいたらいつか殺られる!」

士郎に思いっきりビビっていた。



夜になるまでの間、アスカは士郎に見つからないようにと自販機の影に隠れ、ベンチの下に潜り、ダンボール箱を被って姿を消していた。

さすがに、呆れたアルフに引っ叩かれてはいたが……

その甲斐あってか、何とか無事に夜を迎える事ができた。

深夜になり、アスカとアルフはフェイトと合流した。

「んでフェイト。ジュエルシードはどこら変にあるんだい?」

合流してすぐに、アルフが尋ねる。

「うん。この温泉の裏にあるため池みたいな所から反応があったよ」

「うん?ため池って……ナナシ。あんた昼間に見て回ってたろう?気づかなかったのかい」

フェイトの話を聞いたアルフがジト目でアスカを見る。

「無茶言わないでくださいよ。反応って言ったって、別にいつも出ている訳じゃないんですから。オレがブラついていた時には反応なんてなかったですよ」

アルフの避難の目を、アスカはシレッと受け流す。

「まったく、ダンボール被って遊んでるくらいなら、ちゃんと探しなよ」

「別に遊んでいた訳じゃ……!?」

不意にアスカは大きな魔力反応を感じ取る。

アスカだけではない。フェイトもアルフもそれに気づいた。

ジュエルシード。それが池の中から青い光の柱となり輝いていた。

3人はそれがよく見える橋まで移動する。

美しい輝きを放つ青き宝石。

「ジュエルシード……」

その青い光を見つめるアスカ。

(オレはこの青い光に飲まれて過去の世界に来た。仲間を置いてここに……)

青い光の向こうに、アスカは機動六課での事を思い出す。

僅かな間だったが、その目に寂しさの色が宿る。

(ナナシ?)

フェイトがアスカの目に気づく。

出会った時からとぼけていて、笑ったり困ったりした顔は見たこ
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