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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第六十話 衝突する魔導師
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、ドンクサい奴だねぇ……」
二人に追いついたアスカは拗ねていた。
ひた謝りのフェイトに、少年に文句を言うアルフ。
一通り拗ね終わったアスカは、とりあえず立ち直る。
「あの子が、フェイトさんの言っていた魔導師ですね?」
つい先ほどまで戦っていたなのはの事を、アスカは話題に出す。
「うん、そうだよ。強い子だとは思うけど、私は絶対に負けないから」
二連勝しているせいか、フェイトは強気に言い放つ。
「あ、そうだ。ナナシ、さっきは止めてくれてありがとう。ナナシの声が無かったら、私は止められなかったかもしれない」
フェイトは感謝するが、アスカは背筋に冷たい物が走った。
(やっぱり、今のフェイトさんは不安定だ。たぶん、誰も傷つけたくないという本来の優しさと、母親の命令を遂行する為に冷徹になろうとする心がぶつかり合っている。この矛盾を上手く処理しないと、フェイトさんが砕けることになる)
かつて、自分が両親を亡くした時に起きた心の崩壊。アスカはそれをフェイトから感じていた。
(怖いな……乗り切れるのか?このオレに)
この先、なのはとの戦闘は避けられないだろう。そして、フェイトは望まない戦いを強いられる事になる。
(どうすればいいんだよ、どうすれば……)
言いようのない不安が、アスカを包み込んでいた。
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