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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第六十話  衝突する魔導師
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子供だ。

その子供が、大人でも負担の大きいロストロギア事件に関わっている。

その現実がアスカを苛立たせる。

(この大事な時に何もできないなんて……クソッ!)

内心穏やかではないアスカを余所に、フェイトがなのはを見下ろす。

「で、どうするの?」

口調こそ静かだが、フェイトには引く気はない。

「話し合いでどうにかできるって事、ない?」

なのはは、争いを避ける道はないかと模索しているようだ。

「私は……ロストロギアの欠片を、ジュエルシードを集めないといけない。そして、あなたも同じ目的なら、私達はジュエルシードを賭けて戦う敵同士って事になる」

フェイトは、なのはの言葉を拒否する。例え相手を傷つけても、目的を達成させるつもりだ。

「だから!そういう事を簡単に決めつけない為に、話し合いって必要なんだと思う!」

弾けるように訴えるなのは。

自分の言葉を聞いてくれない少女に、悲しみすら感じている。

(うん。話し合いは必要です。いきなりデバインバスターは勘弁してください)

未来のなのはの手の内を知っているアスカは、そう思わずにはいられなかった。

099部隊時代、1時間の教導の中で放たれたデバインバスター。

とっさに凌いだものの、滝のような汗が出た事を覚えている。

一人ガクブルのアスカだったが、状況はそれに関係なく進んで行く。

フェイトは静かに頭を振った。

「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃきっと何も変わらない……伝わらない!」

「あっ!」

フッとフェイトの姿が消えたと同時に、なのははしゃがんで攻撃を避けた。

「速い!」

フェイトの移動速度もそうだが、なのはの反応速度にアスカは声を上げて驚く。

(ただの反応速度じゃない。空間認識能力の驚異的な高さがあるからこそ、あんなギリギリで避けられたんだ)

幼い身体に詰められた才能の一端を見たアスカ。

これが模擬戦というのであれば魅入っていただろう。

だが……

《フライアーフィン》

フェイトの攻撃から逃れる為に、レイジングハートは飛行魔法を発動させる。

足下に魔法の翼が生え、なのはは夜の空に舞い上がる

それを追うフェイト。

「でも、だからって!」

「賭けて。それぞれのジュエルシードを一つずつ」

なのはの言葉をフェイトは強引に断ち切った。

《フォトンランサー ゲットセット》

バルディッシュが戦闘態勢に入る。

「あっ!」

なのはが気づいた時には、フェイトは頭上に回り込んでいた。月を背にバルディッシュを振り下ろす。

「アクセル!」

それに対抗すべく、なのははアクセルシューターを発生させて応戦した。


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