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ペルソナ3 異界の虚影
中編
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駆け寄る。
背後で風花がユノを呼び出し、バックアップの体制に入った。
「私は美鶴さんといっしょに!」
そう声をかけて、私も ゆかり と並んだ。
これで3対1の戦い。数ではこちらが有利だ。
特に武治氏はペルソナ使いではない。取り押さえるのは難しくないはず・・・と思われたが・・・
美鶴さんのアルテミシアが放ったブフダインを武治氏が気合で弾き飛ばした。
「なに!」
思わず美鶴さんが怯む。
相手がいったい何をしたのかわからない。その戸惑いが攻撃の手を緩めてしまう。
「甘いぞ美鶴。」
武治氏は厳しい口調でそう言うと、いきなり懐から拳銃を抜き出して銃口を美鶴さんに向ける。
その腕に矢が突き刺さった。
ゆかり の攻撃だ。
だがしかし、武治氏は微動たりともせず、苦痛の表情すら浮かべていなかった。
鋭い目つきでにらみつけると、今度は矢を突き立てたままの腕を ゆかり に銃を向けた。

銃声!

その瞬間、ゆかり の前の地面から巨大な顔が飛び出す。
私の呼び出したアバドンが盾となり銃弾を飲み込んだ。
反射的に身をすくめてバランスを崩した ゆかり を私が後ろから支える。
「ゆかり に手を出すな!」
怒りの声と共に美鶴さんが踊り出て武治氏の懐に飛び込むと、左胸に容赦なく剣を突き立てた。
「があああ!」
武治氏が吠えて腕を振り回し、接近していた美鶴さんを跳ね飛ばす。
美鶴さんの体は驚くほど高く飛び、放物線を描いて床にたたきつけられた。まるで車にでもはねられたような勢いだ。
「先輩!」
ゆかり が叫ぶ。
武治氏がこちらに向き直る。
心臓部分に剣が深く突き立ったままだ。血の一滴も流れずに平然としている。こんな人間は絶対にいない!!!
「違う・・・やはりお前はお父様じゃない・・・。」
呻くような美鶴さんの声がした。
その声を聞いて、武治氏の姿がいきなり変化し始める。
顔がゆがみ口が裂けて大きくなる。全身が、スーツごと青黒く変色していく。
みるみる体が膨らんでいき、ついには2メートルを超える巨体に変貌した。体は固そうな甲殻で覆われ、肩には角のような棘が生えている。その口は人の頭を丸呑みできそうなほど大きく、凶悪な牙をのぞかせている。
怪物としか呼べない姿だ。
やはりこの怪物が化けていたのか・・・?
『気を付けて。氷結攻撃は無効です。』
風花の警告が聞こえる。
「じゃあ、私は電撃を試してみる。」
私の言葉に ゆかり がうなずいた。
「ペルソナ!」
私の召喚したシヴァがジオダインを放つ。凄まじい稲妻が襲いかかるが、怪物は仁王立ちのままそれに耐えてみせた。しかし続けて ゆかり の召喚したイシスのガルダインを受けて大きく体勢を崩した。
『疾風攻撃、有効です。』
風花の声に合わせて、私はミカエルを召喚。 ゆかり が
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