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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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「だったら 余計に会いたい」

「待ってください 君には、話しておくべきだと思うから 成り行きを話す ゆっくり、聞いておいてくれ」

「お願いします 聞いておきたいです」

「社長が倒れてから、店は大変だったんだ 殆ど、独りで突っ走ってきたからな そして、奥さんが店にかかわってきてから、経理の高井を追い出して、ますます、資金繰りもめちゃめちゃになって、そのうち、総務の上野が策略で、ホールとか厨房の人間を引き抜きにかかって、おまけに、社長の奥さんを抱き込んで、店の資金を持ち逃げしたんだ。それで、奥さんは、離婚を進めていたんだけど、美鈴お嬢さんは、まだ、入院している社長のことを残していけないと、世話をし続けた。だけど、社長は、もう、店のことなんか記憶から消えていたんだ。退院した後も、左手がマヒしていて、お嬢さんが面倒見ていた。そして、会社が倒産して、店を閉めるにあたって、従業員の給料補償とか、店の跡地の保証とか、仕入先への債務もあった。まだ、中学卒業するかという年で、お嬢さんはあちこちに頭を下げてまわったんだ。僕も、社長には恩義があったから、手伝ったんだけども、所詮、雇い人だったから・・。結局、返済金だけが残った。やむを得ず、社長の持ち家を売りに出したんだ。僕も、子供居なかったし、お嬢さんを自分の子供のように思っていたから、小さいマンションを売りに出した。それで、こっちに越してきたんだ」

「あのー なんと言って良いのか 美鈴、大変だったんだ」

「うん 自分を捨てて お父さんのことも、会社の後始末も なりふりかまわずにな 偉いと思う それでも、自分達を捨てて出て行ったお母さんのことも、恨みごとも言わないで、逆に心配しているんだ だから、僕は、出来るだけ、お嬢さんの手助け出来ればなと思って、ここまで、やっと来た 小さいけど、店を出せるまでになった それまでの、社長の人徳もあって、仕入先にも協力してもらってたんだ」

「それで、今、美鈴はどこで働いているんでしょうか」

「あれから、色々な仕事をしててな それも、掛け持ちで、返済と生活を支えるために でも、18になった時には、お昼の時間はこの店の手伝いをして、それから、夜は、僕が勤めていたホテルのナイトラウンジで働いている。と言っても、健全な所だよ 接客と言っても、飲み物を運ぶだけだし、客層も上品な人ばかりだよ。それに、僕の後輩のコックとフロアーマネジャーにしっかりと頼んである。可愛いし愛想もいい、スタイルも良いから彼女のファンは多いんだ 日常会話程度はお相手するからね ホテル側も人気があるから、彼女を大切にしていてくれているんだ 心配は要らないよ 帰りも、社長が駅まで迎えに行っている それにね、通信教育で、もうすぐ高校も卒業する」

「そんなに働いているんだ」と、僕には、
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