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レーヴァティン
第二百十九話 四国分裂その四

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「策士だしな」
「あの人人間としては屑過ぎるわ」
 美奈代は笑って言った。
「ほんまにな」
「笑えねえよな」
「よお見るとな」
「そうだよな」
「ほんまに孫娘をな」
「利用することしか考えてねえな」
「孫娘が国民栄誉賞を手に入れる」
 まさに私利私欲である、世の中武道で鍛錬を積んでいても心までそうしているとは限らないということの証左であろう。
「そして自分も名誉を得る、その為にな」
「いたいけな孫を利用してるな」
「ほんまにな」
「腐れ外道だな」
「あんな悪い奴そうおらんわ」
「本当に極悪爺だよな」
「うちお祖父ちゃんがああやったらぐれるわ」
 美奈代はこうも言った。
「ほんまにな」
「ぐれても利用されるかも知れねえけれどな」
「それもぐれるわ」
「あんな爺身内だと嫌だな」
「絵柄が奇麗なだけ余計にな」
「ストーリーもよくてな」
「そのお孫さんが可愛いだけに」
 お洒落な服を着たイラストも人気だった。
「尚更な」
「その糞さ加減が目立つんだよな」
「そやからな」 
 それだけにというのだ。
「主人公を好きになればなる程」
「その孫娘をな」
「あの爺ちゃんの腐れ外道ぶりがや」
「際立つな」
「ほんまにな」
 こう久志に言うのだった。
「柔道も一日にして成らずにしても」
「糞爺もな」
「一日にして成らずや」
「というかあの爺長生きしてるのが間違いだな」
 久志はこうまで言った。
「あの爺の年齢だと戦争行ってたな」
「第二次世界大戦な」
「あの作品の連載時期と爺のおおよその年齢見たら」 
 この二つから検証してというのだ、言うまでもなく第二次世界大戦は日本にとって大きな節目であった。
「行ってたな、戦争」
「実際東南アジア行ってたで」
「そうだったな、そこで死んでたらな」
「よかったな」
「何でああした奴が生き残って」
「ええ人ばかり死んだか」
「そう思うぜ」
 久志は実際に今心から思っていた。
「あの戦争立派な人ばかり死んだって言うしな」
「特攻隊の記念館見たら思うな」
「そうだよな」
「どれだけええ人等が散華したか」
 美奈代は深い顔になって述べた。
「江田島とか鹿屋とか行ってな」
「それで見るとな」
「ほんまにな」
「いい人ばかり死んだな」
「残念なことにな」
「まあね。あの爺ちゃんは確かに酷いね」
 淳二が見てもだった。
「本当にね」
「腐れ外道だよな」
「あんな悪い奴そういないよ」
「行動が全部私利私欲でな」
「人を利用してばかりで」
「作中ずっと悪巧みしてるしな」 
 自分の為だけにそうしているのだ。
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