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レーヴァティン
第二百十九話 四国分裂その二

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「宗教は認めてもな」
「政への介入は認めないね」
「それはな」
 まさにというのだ。
「絶対だよ」
「そうだね」
「さもないと」
「こちらでなね」
「十字軍とか異端審問とかなりかねないから」
「ああしたことになったら」
「人間何処までも残虐になって」 
 宗教で相手を絶対の悪で認められないと教えられた時にはというのだ、剛は久志に彼にしては珍しく深刻な顔になって話した。
「収まりがつかなくなるよ」
「そうだよな」
「まあこれ共産主義でも同じだけれどね」
「宗教を否定してもな」
 宗教によって人はおかしくなると言ってだ。
「結局イデオロギーもな」
「宗教みたいなものだから」
「一緒だよな」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「こちらもね」
「結局はそうだよな」
「宗教を否定しても」
「その思想自体がか」
「宗教なんだよ」
「おかしな論理だな」
「神様じゃなくて理性とか言うけれど」
 ロベスピエールの理性崇拝である、共産主義等の無神論も実はジャコバン派のそれからはじまっているのだ。
「結局はね」
「宗教なんだな」
「革命の敵って言うけれど」
「それもな」
「異端とね」 
 それと、というのだ。
「一緒だよ」
「そうだよな」
「だからね」
「イデオロギーもか」
「宗教なんだよ」
「それで自分達以外は認めないとか」
 その場合はというのだ。
「ああしてね」
「粛清とかやるんだな」
「そういうことだよ」
「そうだな、やっぱりな」
「あらゆる宗教を認めるね」
「帝国はな、そして宗教家はな」
「政治には入れないね」
 剛は久志に問うた。
「そうするね」
「ああ、そしてな」
「そのうえでだね」
「政教分離もしていくな」
「あらゆる宗教を認めるにはね」
「あらゆる宗教を政治に入れない」
 久志も答えた。
「それが俺の考えでな」
「帝国の政だね」
「ああ、こうするのがな」
「いいね」
「実際に上手くいってるしな、カトリックでも何でも国の宗教にしたら」
「色々と問題が出るね」
「昔はあれだろ」
 久志はさらに言った。
「文字が読める、つまり事務仕事が出来るのもな」
「宗教家だけだったのよ」 
 双葉が言ってきた。
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