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3月に入ると美鈴は学校に来なくなった。ラインしても「大丈夫 元気 お父さんの側にいたいの 試験にはいくから」とだけ返事が返って来る。心にひっかかるものがあったが、試験の日が迫ってきていた。
当日の朝、美鈴が現れた。僕達の前では「頑張るぞー」とか声を出して明るく振舞っているみたいだった。僕は、昇二と「様子が変だな」と顔を見合わせながら、試験会場に入った。
科目が終わった後も、美鈴は自分の席から離れず、僕達とは、話しせずじまいだった。全て終わった後も「ごめん お父さんの側に居なきゃ」と言って、さっさと帰って行った。皆が、夜にラインしたみたいだったが、返事がないままだった。そのまま、学校にも出てこなくなった。
「中道の店 出口店を閉めたらしいぜ 割と急だったらしい」と、昇二が言ってきた。
「そうなんか お父さんが入院しているのって、影響しているのかな 美鈴、何にも話さないから あいつ」
「蒼 お前 中道と特別に付き合っているのか?」
「うん 僕は、彼女が好きなんだ 意識している」
「だろうな うすうす感じていた 最近、名前、呼び捨てだから 二人ともミサンガ着けていたものな でも、お前等、小学校から仲良かったもんな 中道は可愛いし」
「すまん 高校に入ったら、話そうと思ってた でも、最近だよ」
「謝ることじゃぁないよ お似合いだと思うよ やったなー」
合格発表の日。僕達は、みんな揃って受かっていたが、その日、美鈴の姿は無かった。ラインしてみたが「おめでとう 卒業式は出る」と短い返事が返ってきたきりだった。
卒業式の朝も美鈴の姿は無かった。僕達は心配しながらも、式を終えて、それぞれの教室に戻ろうととしていた時、僕の前にテニスボールが転がってきた。
振り向くと、体育館の陰から・・美鈴だ。おいでおいでをしている。僕は、側に駆け寄っていった。
「どうしたんだよ なんで、来なかったん 大変なのか」
「ごめんね 急な用事で・・ 蒼君には、会っておきたかったから・・」
「何でも、抱え込まないで、話してくれよ 約束だろう」
「うん 落ち着いたら話す これ 渡したかったんだ 私が、大事にしている子猫チャンの人形 持ってて あのね 次に会えれば 多分、高校の入学式までも・・」
「どういう意味だよ 僕は、何か力になれないのか」
「うぅん そういうんじゃぁないけど でも、待ってー 蒼 私は、あなたが好き ちょっとかがんで」と、言ってきたかと思うと、いきなり、背伸びして、僕のほっぺにキスをしてきた。そして「元気でね」と、言い残して去って行った。
僕は、いきなりで、情けないことに、しばらく動けなかった、そして、追いかけることも・・。この時は、もう会えなくなるなんて、思
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