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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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、奥さんが来てから、ホールの人間が次々と辞めているんだ。給料を下げられたらしい。総務の上野の提案らしい。それに、あいつは、近くに新しく出来るチェーン店に引き抜きの話があって、うちの調理の連中も連れて行くという話が出来ているらしい。実際、調理の2番手との間では話が出来ている」

「それで、松永さんは?」

「僕は、社長との恩と義理があるのわかっているからね 多分、僕には、内緒にしているよ」

「ありがとう 松永さん お父さんを何とか支えてね」

「もちろんだよ 社長は、従業員にいつも感謝していて、儲かると特別手当を出して、自分の分は減らしていた。立派だよ。僕も、さんざん世話になってきた。僕には、子供も居ないから、お嬢さんのことも自分の子供というか孫というか、可愛いと思っているし、何とか守りたいと思っている」

「それを聞くとお父さん喜ぶと思うわ 色々と思いだすかも」

「お嬢さん まだ 言っておきたいこと、あるんだよ 言いにくいことだけど 上野と奥さんの仲があやしいんだ だから、今じゃぁ、上野の言いなりで・・ふたりで会社の金を貯め込んでいるってウワサだし」

「松永さん そんなことって あるわけないじゃぁ無い お父さん、あんな状態だし、私も妹の清音(きよね)も居るのよ」

「お嬢さん 奥さんは、社長が従業員に給料を出し過ぎだって、やり方に前から不満を持っていたんだ。それに、高井のことが重なって・・奥さんはまだ若いし」

「お母さんって、そんなこと思っていたんだ。だから、お父さんのことも、あんまり面倒見ていない。最近は、家のこともほったらかしで・・私、会社のことが忙しいんだと思ってた」

「僕の勘違いだったら、良いんだけど お嬢さんには、この際、知らせておいた方が良いと思って 覚悟しておいてください お店も、多分、閉められていくと思います」

「えぇー そんな状態なのー」

「今まで、社長がやりくりして伸びてきたんですけど、今はー すみません 僕には、どうにも出来なくて・・料理のことしかわからないんです」

「松永さんのお気持ちはわかりました。有難うございます。私、そのこと頭に入れて行動します。でも、松永さん、私達のことは、気にしないで置いてくださいね 今からでも、条件の良い所あったら、移ってくださいね 私、これから病院のお父さん看に行かなきゃ またね」

「お嬢さん これ プリンです 社長に食べてもらってください 僕が作りました」

 私は、病院に向かう途中、涙が出てきていた。何の涙かわからない。色んなことを聞いたので、頭ん中も混乱していた。だけど、お父さんと高井さんが変な関係じゃぁなかったことだけは、安心していた。

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