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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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「ほんまに、変なこと頼んでごめんね」

「大丈夫だよ 中道の頼みだっだら、平気 平気」と、言いながら、手をつないでいった。

「なぁ 中道じゃぁなくって なんか、遠い人みたいで・・私の事 美鈴って呼んでよぅ ね」と、言って、つないだ手を自分のほうにたぐり寄せてきた。

 結局、30分近く歩いて、最初にみつけた民宿で聞いてみたど、心当たりが無いとのことで、もう少し先の民宿は古くからやっているから、そこで聞いてみればと勧められた。

 又、30分近く歩いて、その民宿に行って聞いたけど、民宿組合の名簿を探してくれたが高井という名前は無かった。すると、おばあさんが出てきて、駅の方の海辺で以前に民宿をやっていた人が、確か高井と言ったと思うと教えてくれた。だけど、10年くらい前に、主人が亡くなって、もう、民宿はやっていないという話だった。

「海辺に行って、ご飯たべよ おにぎり作ってきたんよ」と、美鈴がそっちへ引っ張っていった。

 海辺に出ると砂浜が広がっていたが、波打ち際は木クズとかゴミが打ち寄せられて、寂しい風景に思えた。陽はさしているが、風が少し冷たい。それでも、砂浜に座るとほんのり暖かい。

 美鈴がリュックから水筒と包みを取り出して、広げると白い容器に海苔の巻いたおにぎりで、別の容器には、玉子焼きとかハム、レタスなんかが入っていた。

「美鈴 これ作ってきたんか おいしそうだよ」

「うん 三倉に食べてもらおうってね」

「これをずーと背負っていたのか 言えば、代わったのに・・ それにさー、三倉じゃぁなくって、美鈴も蒼って呼べよ な」

「・・蒼 が手をつないでくれたから、荷物のこと忘れてた」

 水筒の中は、何にも入ってない紅茶だった。いい香りがして高級なものだと僕にもわかった。食べたあと、波打ち際を少し歩いて、美鈴は貝殻を拾っていた。そして、気持ちよさそうに、髪の毛をひろげて、風になびかせていた。

 僕達は、駅のほうに戻って行き、教えられた高井さんの家を探した。付近まで行って、畑をしている人に尋ねて、家を教えてくれたが、多分、もう誰も住んで居ないよと言われた。

 それでも、その家に行ってみたが、確かに人が住んでいる気配がなかった。

「しょうがないよ もう、あきらめよ」と、僕は、美鈴の背中をさすりながら言った。

「そうだね だめかなー」と言いながら、美鈴は隣の家を訪ねて行った。

「もう先月だったかねー 娘さんが訪れてね、母が心臓が悪いので、入院させるとかで、連れて行ったよ 一人っ子だったからね」と、隣の人から聞き出した。

 帰りの電車の中で「本当に ごめんね 面倒かけて」と美鈴は謝ったきり、黙り込んでしまった。普段は、留めている長い髪の毛を、今日はひろげたままだったの
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