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Fate/WizarDragonknight
モカの目的
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なかった。
 超古代の遺産、ムー大陸の浮上そのものは太平洋のどこかだった。
 しかし、世界中を回り、最終的に一番長く滞在し、破壊されたのは、見滝原の上空だったと聞く。

「今だって、私たちも巻き込まれた。ここにいたら、いつまた危ない目に遭うか分からないんだよ?」
「私は……」

 だが、エボルトラスターの点滅が、収まるどころかより一層激しくなっていく。
 ぎゅっと握り、ココアは口を開く___よりも先に、モカが続けた。

「私も、滞在中に何も起こらなかったら、ただの偶然だって思いたかった。私だって、ココアが見滝原に留学することを反対したくない。でも、現実にこうして起こっている。だから、これ以上ココアを危険なところに置いておきたくない! チノちゃんがいるから離れられないって言うのなら、チノちゃんを、ウチにホームステイさせることだってできる! 私が言っていること、分かるでしょ!」
「分かるけど!」

 ココアが叫ぶ。

「でも! 私は、お姉ちゃんやお母さんが私のことを想ってくれるのと同じように、チノちゃんだけじゃなくて、ラビットハウスの皆も、ここでできた友達も大事なの! だから、私だけ逃げたくない!」
「今のココアに、何が出来ると思ってるの!? ただの子供のココアに!」

 どことなく怖がっているようにも見える。
 目に涙を浮かべながら、叫んでいる。

「だから……逃げようよ……私と、チノちゃんと一緒に逃げよう……!」
「私は、この町が……見滝原が好き」

 ココアはぎゅっとエボルトラスターを握り締めた。神秘の結晶の表面は、大理石のように冷たい。

「チノちゃんがいて、ラビットハウスの皆がいて。友達がいて、色んな好きな人たちがいるこの町が好き。私が大好きな町で、皆が泣くのは見たくない。チノちゃんが、紗夜ちゃんが、今泣いているから……!」
「ココア……!? でも、どうしてココアが!?」

 ゆっくりと、ココアは紗夜から受け取ったエボルトラスターをモカへ見せつける。

「分からない……分からないよ。うん、今になっても、私は何一つ分からない。でも、私には、間違いなくこの場を止められる力がある! だから……!」
「ココア!」

 ココアは、モカの手から逃げるように、客席の階段を駆け下りていく。

「ごめん。お姉ちゃん……! 私、行かなきゃ!」
「ココア!」

 モカの手が届くよりも先に、ココアは燃え盛る客席を駆け下りていった。



「はああ……!」

 トレラアルティガイザー。
 青黒い閃光が、ウィザードと龍騎を大きく殴り飛ばす。

「ぐっ……」

 ギリギリで張った防壁も意味をなさず、ウィザードは痛みを堪える。
 だが、それに全く満足した仕草をみせず、むしろ苛立つよう
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