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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
覚えのない怒り
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回ので確信を持てた。

「「二人、付き合ってるよね?」」

周りに聞こえないほどの小さな声でお互いの思考を伝える。それは当然ながら合致しており、思わず笑ってしまった。

「えぇ・・・でもすごい距離近いね」
「うん・・・ちょっとびっくりしちゃうよね」

恥ずかしがってなかなか先に進まない俺たちとは違い、付き合い始めたと思った途端に驚くぐらい距離を詰めている二人に感心してしまった。
それと同時に、なんだか自分が情けなくなってしまった。

「ウェンディ」
「何?」

こちらを振り向いた彼女に俺はそっと手を差し出す。別に負けていられないとかではない。これは俺たちがもっと先に進むためのステップだから、やらなきゃいけないことだから。

「うん!!」

ウェンディも俺が何をしようとしているのかすぐにわかったらしく小さくうなずく。そのまま彼女は差し出された俺の手をーーー

「お前!!」

握ろうとした瞬間、前方からの大声で俺たちは思わずそちらを向いた。

「おい、ユウキ。突然どうしたんだよ」

静寂に包まれていた街の中が一瞬でざわつき出す。大声を血走った目をしている真っ白な髪の毛をした青年と、それを周囲を見渡し、慌てながら宥めている紫色の髪をした青年。彼らの目の前にいるのは・・・

「なんだ?お前」
「突然どうしたの?」

俺たちの前を歩いていた、レオンとシェリアだった。

「まさかまたこの国に来ていたとは・・・」
「どうしたんだよ?ユウキ」

二人を見据えて明らかに憎悪の感情を滲み出させている青年。相方と思われる青年は訳がわかっておらず、この街を監視している闇ギルドの魔導士が騒ぎに気付いて向かって来ていることに気付き、よりあわてふためいている。

「そこ!!何をしている!!」
「全員動くな!!」

街の至るところにいる監視役たちがゾロゾロと集まってきている。これは完全に顔バレしてしまう。そう思った俺とウェンディ、シャルルとセシリーは二人から距離を取る。二人の後ろに引っ付いていたラウルは逃げ遅れていたが、猫の姿のままだったため、そこまで問題でもないか。

「なんか面倒くさいことになったな」
「うん。どうしよっか」

絡まれている二人も訳がわかっておらず、厄介なことになったという感じ。レオンなんか完全にダルそうにしており、早くこの状況をなんとかしてほしいといった顔をしていた。

「気にしなくていい。お前はここで死ぬんだから」

全員がいまだに状況を理解しきれていない中、殺意剥き出しの青年はポケットから何かを取り出す。それを見た俺たちはゾッとした。

「爆弾魔水晶(ラクリマ)!?」

見覚えのある形の魔水晶(ラクリマ)に血の気が引く。街の中・・・しかも騒ぎを聞き付け
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