第二章
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「別にな」
「いつも一緒にいるからだね」
「そうだ、しかも私は妹もいる」
このこともあってというのだ。
「弟がいても構わない」
「リアルで姉さんだからなんだ」
「光弘が弟になってもな」
「そう言うけれど僕にはお姉さんはいないから」
血縁上のそうした相手はというのだ。
「将来もね」
「最初に生まれたからな」
「うん、お姉さんはいないから」
それが義理のものでもというのだ。
「そんなこと言っても」
「それは寂しいな」
「寂しくないよ、けれどいつも勉強教えてもらったり困った時にアドバイスしてくれることは」
姉でもいいと言う従姉にこうも返した。
「僕も嬉しいから」
「だからか」
「うん、そのことは有り難く思ってるよ」
「それは何よりだ、ではな」
「それじゃあだね」
「これからもだ」
まさにという言葉だった。
「私は光弘を助けていくぞ」
「お姉さんとしてだね」
「そうしていく」
こう言ってだった。
実際に沙織は光弘を支えていった、勉強を教え人生のアドバイスもしていった。だがそんな中でだった。
光弘にも交際相手が出来た、沙織もそのことを知ったが。
沙織は光弘にそのことを確認してこう言うだけだった。
「よし、頑張れ」
「それだけ？」
光弘はいつもと違ってアドバイスをくれない沙織に言い返した。
「言うことは」
「そうだ」
返事は一言だった。
「何か問題があるか」
「いや、ああしたらいいこうしたらいいってね」
いつもの様にというのだ。
「言うと思ったのに」
「私は誰かと付き合ったことがない」
それでというのだ。
「だからだ」
「言うことはないんだ」
「それで言える筈がない」
恋愛経験のない者に恋愛のことはというのだ。
「交際も告白も失恋もないからな」
「全部ないんだ」
「誰かにそう言われたこともない」
告白を受けたこともないというのだ。
「だからだ」
「それでなんだ」
「私から言うことはだ」
こと恋愛のことではというのだ。
「ない、だからだ」
「いいんだ」
「そうだ、だから言えることはだ」
それはというと。
「これだけだ」
「頑張れだけなんだ」
「そうだ、それだけだ」
こう言って実際に終わりだった、これには光弘は拍子抜けというか意外に思った。普段の沙織と全く違うので。
それでだ、彼はそのまま交際相手の八尾梨衣との交際をはじめた、梨衣は一五四センチ程の背で黒髪をショートにしていてはっきりした目のスタイル特に脚がが奇麗な娘だった。光弘と同級生で所属しているテニス部で一緒に活動しているうちに仲よくなって交際に至った。
明るい顔立ちで性格も明るい、そんな彼女と一緒にいる様になったが。
ある日沙織は光弘の家に来
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