暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十一 不死コンビVS宿敵コンビ
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「な、に!?」
「鬼退治は出来なかったようだな…!」


バチバチ…と雷撃が迸る。
雷を纏った水龍の中、光り輝く手を己目掛けて突き出すカカシの姿が角都の瞳に飛び込む。
敵を認めると同時に、水龍が凄まじい速さで角都に飛びついた。


「が、は…!?」
「うおぉおおぉ…!!」


【水遁・水龍弾の術】。
その水龍の内部をあえて突き進み、一気に接近したカカシの手が角都の胸に穴を開ける。



水龍が咆哮する。
雷を纏った水の龍が曇天の下で激しく光り輝いた。










「角都…ッ!?」

凄まじい雷撃を迸らせる水龍。
眩いばかりの光が曇天の下で炸裂する。


空中で胸を貫かれた相方を見上げ、流石の飛段も声を荒げた。
そのまま落下してゆく角都の許へ向かおうとした足は、しかし、己の意思に反して動こうとしない。


「な…馬鹿な…」
「ようやく──【影真似の術】成功」

遠方から聞こえてくる声。
印を結び終えたシカマルへ、飛段は唯一自由の利く口で喚き散らした。

「なんでだよ!?こっから先、影は届かねぇんじゃなかったのかよ…!?」


三刃の鎌で、影の伸びる距離を測った傷。
大木に一線を引いた傷は、依然としてシカマルの影の領域外だ。

にもかかわらず、身体の支配権を奪われた飛段は、不可解な現状に大声で喚く。
うるさそうにしながら、シカマルは僅かに首を巡らせた。

シカマルの動きに合わせて、飛段も目線を別方向へ向ける。
その視線の先、角都の胸を穿ったカカシの光り輝く手を見て、ようやっと飛段は気づいた。


「てめぇ…まさか、あのヤローの術の光で…!」
「ご名答」


寸前、再不斬の【水遁・水龍弾の術】の中に紛れ、角都に接近したカカシは【雷切】を放った。
その【雷切】の光でシカマルの影の活動範囲が増えたのだ。
目に映る影だけを追い駆け、新たな光による影の存在に気づけなかった飛段の落ち度であった。


光あるところに影あり。即ち、光がないと影はできない。
だが逆を言えば、光があれば影は生み出せる。

身体の支配権を奪われ、激怒する飛段の前で、シカマルはうっすら笑ってみせた。


「影がなけりゃ、つくるまでだ」

















「…飛段が触れるだけで…激怒した刀を…相方には足場にさせるとはな…」
「今回だけだ。二度はねぇよ」


水の龍が雨となって降り注ぐ。
それに雑じって落下した角都が水飛沫をあげて撃墜した。

息も絶え絶えにしながらも、言葉を紡ぐ角都に舌打ちしながら、再不斬は忌々しげに吐き捨てる。




【水遁・水龍弾の術】を放った瞬間、再不
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ