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渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十一 不死コンビVS宿敵コンビ
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地面に縫い付けられ、再不斬の動きが止まる。

その隙を逃すまいとばかりに、能面の化け物が口を開いた。


「飛んで火にいる夏の虫だ……【風遁・圧害】」

風遁の性質を持つ分裂体からの攻撃。高圧縮された竜巻が再不斬を襲う。
水飛沫が高く立ち上った。







「まずは鬼一匹目ってかぁ?」

今の攻撃は身じろぎできなければ直撃だったはずだ。
【風遁・圧害】に巻き込まれまいと大木の幹を駆け上がった飛段は、湖の中心に目を凝らす。
水飛沫で相手の姿が見えない。

が、その瞬間、飛段は嫌な予感がして、その場を飛び退いた。


自身の影。
それを追い駆けるように、軌跡を描いて大木の幹を這う細長い影。


「げぇ…!?曇ってりゃ、使えねぇんじゃなかったのかよ!?」

再不斬とカカシにばかり気を取られていた飛段は、影を操る術者にようやく意識を向けた。

シカマルの影。
自身の影を細長く伸ばして、相手を拘束する術。

確かに曇天では都合が悪いが、使えないのではない。
使わなかったのだ。

相手に曇天時では術を使えないと認識させることで隙を生ませる為に、あえて暫く【影真似の術】を仕掛けなかった。

しかし元々、己の影の表面積を伸ばして使う術。
自身の影に他の影を加える事で、操る影の範囲が増すものの、曇り空で薄くなった影では伸ばす距離に限界がある。

(ここで決める…っ)


「そんなに俺の鎌と能力が怖いかァ?離れたところからこそこそと…。情けねぇなァ、おい」


飛段が挑発雑じりの嘲笑を浮かべながら、シカマルの影から逃げる。
余裕綽々の笑みを浮かべていた飛段だが、直後、ハッ、と眼を見開いた。


シカマルの影が分岐する。
木々が枝分かれするかのように、四方八方から飛段を追い詰める。
更に細く長く伸びる影の猛攻。
それらを回避し続けていた飛段は、ふと何かに気づいて、地面を蹴った。


先ほどまで自分がいた場所。ちょうど影を射抜くように投擲された刃には見覚えがある。

チャクラ刀。
角都と飛段の影をそれぞれ地面に縫い留め、動きを止めた武器である。


使用者のチャクラ性質を吸収する特別な金属で出来ているチャクラ刀。
吸収したチャクラによって使用者の術に基づく効果を発揮するソレは、シカマルの場合は【影真似の術】と同じ効力を発揮する武器となる。


(影で拾って投げたのか!?)

チャクラ刀自体が【影真似の術】を発動しているソレに影を射抜かれればアウトだ。
地面に落ちていたチャクラ刀。

その内の一本を、影を使って自身へ投擲したシカマルを視界の端で捉え、(なんつー器用な奴だよ)と飛段はくっと口角を吊り上げる。


しかし、今のチャ
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